たつみやの本社工場

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 (株) たつみや(TDB企業コード:800414609、資本金3000万円、福岡県宗像市赤間3-1-12、代表丸龍泰男氏)は、7月8日に事業を停止し、事後処理を佐田洋平弁護士(福岡県福岡市中央区大名2-2-26、大名総合法律事務所、電話092-781-0025)ほか2名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は1990年(平成2年)6月に設立し、94年9月に現本店へ新築移転した。当初はタラコをはじめとする水産物の塩乾物の卸を主業とし、辛子明太子の製造も手がけていた。近畿・中京圏の魚市場や水産商社などを得意先とし、辛子明太子は工場直売店での店頭販売や通信販売などにより一般消費者向けにも販売し、2001年5月期は年売上高約5億7000万円を計上。その後、採算を重視する中で卸事業のウエイトを引き下げる一方、大型商業施設に辛子明太子販売の直営店を出店するなどで辛子明太子の製造・販売に事業の主軸をシフトしていた。

 しかし、消費低迷や贈答品需要の低迷、同業他社との競合の影響に加え、2011年9月に直営店を閉店したこともあり、2014年5月期の年売上高は約1億6000万円にまでダウン。この間、収益も低迷し、資金繰りも悪化していた。近時は製品パックの内容量変更などで年売上高は増勢に転じていたものの、前代表が2018年11月に死去。後任に現代表が就任していたが、収益改善の見通しが立たず、今回の事態となった。

 負債は約2億1000万円が見込まれる。