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北京五輪の受注で回収不能が発生し、資金繰りが悪化していた

 赤見電機(株)(TDB企業コード:580177917、資本金3600万円、兵庫県尼崎市東難波町5−27−19、代表赤見幸作氏、従業員45名)は、7月9日付で事業を停止し、事後処理を村田淳弁護士(兵庫県神戸市中央区多聞通3−2−9、くすのき法律事務所、電話078−371−5617)ほか1名に一任した。今後、自己破産を申請する予定。

当社は、1951年(昭和26年)3月創業、64年(昭和39年)7月に法人改組。「LISA(ライザ)」のブランド名で大型LED映像システムの開発から製造・販売・メンテナンスまでを手掛けるほか、産業用電子自動制御システムの開発・製造なども行っていた。当社の映像システムは日中の太陽下でも高輝度・高画質な表示が可能で、広視野角度であることから、駅やビルの壁面、スポーツ施設、競技場などの大型ビジョンで採用され、過去にはヨドバシカメラ梅田店の「YODOBASHI VISION」、「JR博多シティビジョン」などを手掛けていたほか、94年9月には中国上海市に309平方メートルという当時世界最大級のLED表示装置の納入を実現し話題を呼んでいた。ピークとなる99年2月期には年売上高約22億9300万円を計上していた。

 しかし、安価な中国製品の台頭と国内景気の低迷で売上げは漸減。北京オリンピック関連の中国向け大口受注や鉄道会社からの受注はあったものの業績は改善せず、2018年2月期の年売上高は約5億1800万円にまで落ち込んでいた。その間、北京オリンピックでの受注において回収不能が発生し、資金繰りは悪化。加えて、今年2月には前代表が死去したことで代表交代を余儀なくされていた。5月には金融機関へリスケ要請し、その後もリストラや経費削減を続けてきたが、リスケ要請後に不適切な会計処理が発覚。ここへ来て先行きの見通しが立たなくなり今回の事態となった。

 負債は2019年2月期末時点で約11億1500万円だが、変動している可能性がある。