BuzzFeed 、成功を収めつつある「動画ビジネス」の背景:キーワードは「持続可能性」
BuzzFeedは今年、Facebook、YouTube、その他のプラットフォーム上で、合計20におよぶエピソード形式の動画番組を制作する予定だ。このビジネスを継続可能な形にするため、BuzzFeedはそれぞれの番組を複数のプラットフォームで配信し、広告収益を集める。それだけではない。広告主によるスポンサーがつけば制作する、というカスタムメイド形式ではなく、すでに存在している番組に組み入れる、もしくはその番組のスポンサーシップという形式をマーケターたちに売り込んでいるのだ。
これらすべてのプラットフォームにおいて、エピソードの前、後、そして最中に流れる広告から収益をBuzzFeedは得ている。BuzzFeedの最高収益責任者であるリー・ブラウン氏が以前、米DIGIDAYに語ったところによると、この複数プラットフォームを活用した動画広告戦略は成功を収めつつあるようだ。このアプローチによって数百万ドル規模(1000万ドル[約10億円]に近い数字)の収益を上げるペースという。
今年制作される20の番組のなかでも、さらに多くがこのアプローチを活用することになる。「YouTubeに載せるコンテンツはすべて、Snapchatにも載せるだろう」と、ビデオ・ソーシャルメディア部門エグゼクティブディレクターのメイシー・ティンポーネ氏は言う。
フォーカスは持続可能性
今年のBuzzFeedのフォーカスは持続可能性にある。そんななか、自ら継続して制作資金を出して番組を制作することに将来性を見出しているようだ。これらの番組はプラットフォームからの広告収益が得られるのと同時に、人気番組のなかにスポンサー企画を取り込む、もしくは広告主に番組のスポンサーになる興味を膨らませていると、BuzzFeedのフード・ブランド、テイスティ(Tasty)のジェネラルマネージャーを務めるアシュリー・マコーラム氏は言う。
「参加してくれるのであれば、制作しましょう、と言っているわけではない。すでにマネタイズされる我々が制作するコンテンツ群がある、と言っているわけだ。クライアントはやって来て、スポンサーを通じて参加することも、カスタムメイドのセグメントを作ることもできる」と、マコーラム氏は言う。
ブランドによって制作資金が出されたときにだけ制作されるという形式は、ビデオ部門に投資するデジタルパブリッシャーにとって人気の戦略であった。BuzzFeedは自ら資金を出し、20もの番組を作ることで、広告主に対して彼らのコミットメントを証明している形だ。ソーシャルプラットフォーム上であっても、テレビのように繰り返し訪れてくれるオーディエンスや多大な視聴時間を生み出すことができる。それを「ワース・イット」や「BuzzFeedアンソルブド(BuzzFeed Unsolved)」といった人気番組シリーズで示している。
BuzzFeedの動画の魅力
「個人個人が持つプライムタイム、という考えを私は信じている。また、これまで以上に、エピソード形式のシリーズ動画がマーケターたちにとって、より魅力的になっているとも。特に、若い年齢層にリーチしたいと思っているマーケターに魅力的だ」と、北米マインドシェア(Mindshare North America)デジタル投資ディレクターのドミニック・ペース氏は言う。「ニューフロンツ(NewFronts)では、多くのパートナーたちが、長編コンテンツの視聴完了率がこれまでよりも高まっていると述べていた。これはマーケターたちがよりメッセージを送るのに適した状況につながる」。
人気のある在庫をプラットフォームを越えてパッケージできるという、BuzzFeedの売り込みも魅力的だ。しかし、そこには仕掛けがあると、ペース氏は加える。「リーチと頻度が、すべてのプラットフォームにおけるすべてのバイイングに関して管理できるのであれば魅力的だ、という話だ」。
BuzzFeedはこれらのプラットフォームですでに規模を獲得しているというメリットがある。YouTubeでは4月だけで5億6100万回の再生回数を持っている。Facebookでは2300万回だ。再生回数が多ければ多いほど、マネタイズできる在庫が多いことになる。
両方ともに重要な戦略
マコーラム氏によると、年比較でBuzzFeedはプラットフォーム収益を「大きく」伸ばしているという。しかし、具体的な数字は明かさなかった。CEOのジョナ・ペレッティ氏が、3月にスタッフに向けて流した声明によると、BuzzFeedが2018年の最終四半期にFacebookから得たプラットフォーム収益が300万ドル(約3.2億円)となっており、また昨年末までに得たYouTube再生回数のうち70%はマネタイズしている、とのことだった(これはビデオの前と最中に流れる広告からダイレクトに得られた収益だ)。
「プラットフォーム収益単独で、番組群がほぼ維持可能なところまで、規模の経済を持っていくことができる。しかし、ブランドとのコラボレーションは、非常に重要であることは変わらない。これはどちらか一方に絞る、という話ではない。プラットフォーム収益得るために規模をキープする必要があり、番組の規模があるからこそ、ブランドと番組内でコラボレーションが行える」。
Sahil Patel(原文 / 訳:塚本 紺)
