【地銀20行・グループの業績一挙掲載】マイナス金利で苦境続く…
日銀のマイナス金利政策で預貸金の利ざやが縮小。加えて地方は人口減と少子高齢化が進む構造問題を抱える。異業種の金融事業参入も大きな痛手となっている。今後も日銀は金融緩和を続ける見通しで、手数料ビジネスやコンサルティング事業の強化、店舗統廃合による経費削減など構造改革が求められる。
地方銀行の苦境が依然として続いている。地銀20行・グループの2019年3月期の当期利益は、12行・グループが減益となった。日銀のマイナス金利政策の影響で、預貸業務の利ざやの縮小を余儀なくされていることが一因だ。20年3月期は13行・グループが当期減益を見込む。日銀は少なくとも、20年春ごろまでは超低金利を維持する方針。各行・グループは手数料ビジネスの強化など、収益構造改革を今まで以上に進める必要がある。
全国地方銀行協会が22日に開いた会見で、柴戸輶成会長(福岡銀行会長兼頭取)は「18年度は引き続き超低金利状態で、収益への下押し圧力がかかる環境だった」と回顧した。経費については若干の減少がみられるとし、「各行の働き方改革や生産性向上の成果が表れている」と語った。
預貸業務の利ざやがいつどの程度改善するか見通しにくい中、保険商品や投資信託の販売といった手数料ビジネスや、法人向けのM&A(合併・買収)仲介などに力を注ぐ事例も目立ってきた。「後継者問題や成長戦略でM&Aに対するニーズはかなり強い」(柴戸地銀協会長)。各行・グループは成長分野に経営資源を重点配分し、収益源の多角化などが求められている。
東日本 システム投資、負担響く
東日本の主要地銀9行・グループの20年3月期業績予想は、コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)や千葉銀行など4行・グループが当期増益を見込む一方、長引く超低金利と業務効率改善を目指したシステム投資が重くのしかかる。
埼玉りそな銀行は、19年3月期に保有有価証券の売却で財務体質を健全化したことが奏功する見込みだ。「法人ソリューション、個人向け資産形成サポートに注力する」(池田一義社長)と手数料収入および貸し出しを強化する。
コンコルディアFGは、経営基盤強化に向けたシステム投資の経費がかさむ。「デジタル技術で業務を3割削減し、3分の1の店舗の統合や軽量化を進める」(川村健一社長)。
千葉銀行は、システム改善費用などで実質業務純益は減少するものの、法人営業の強化で当期増益は確保する。東京きらぼしフィナンシャルグループは、店舗再配置・スリム化、本部効率化などの効果を見込む。
めぶきフィナンシャルグループは「システムを一本化し事務処理体制の大幅な合理化を実現」(笹島律夫社長)するため、基幹システム共通化への負担が増加。群馬銀行と北洋銀行はマイナス金利が続くことによる利息収入の減少が響く。七十七銀行は「コンサル営業で手数料収入に結びつける」(小林英文頭取)とし、グループ一体で総合収益につなげる考えだ。
中部 業績予想、まだら模様
中部の主要地銀の20年3月期業績予想はまだら模様だ。
静岡銀行は高い利回りが見込める中小企業や個人向けの貸し出し、伸びているストラクチャードファイナンスなどに注力し、当期増益を予想。「地域密着金融や事業継承など、付加価値の高いサービスを提供していく」(柴田久頭取)と意欲を示す。
