6月29日(土)公開の映画『ペトラは静かに対峙する』より、女優の萬田久子、俳優で映画監督も務める奥田瑛二、美術家の会田誠ら各界著名人から絶賛のコメントが到着した。

2018年カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品された本作。作品制作のために著名な彫刻家ジャウメの邸宅にやってきた画家ペトラ。彼女の本当の目的はジャウメが自分の父かどうか確かめることだったが、接するうちに、彼が権力を振りかざす、冷酷な人物であることがわかってくる。そんな中、一家の家政婦が謎の自殺を遂げる。そこから始まる、長い負のスパイラルにペトラも巻き込まれていく。時系列が前後する章仕立てのストーリー展開により、パズルのピースをはめていくように徐々に明らかになっていく家族の秘密に震撼させられる。

監督のハイメ・ロサレスは長編6作品のうち、5作品がカンヌ国際映画祭に選出された気鋭の映画作家。主人公の画家ペトラ役は、『マジカル・ガール』でゴヤ賞主演女優賞を獲得し、本作でヨーロッパ映画賞最優秀女優賞にノミネートされたバルバラ・レニー。悪の権化であるジャウメ役は、77歳にして本作で演技デビューを果たしたジョアン・ボテイ。さらに2018年に名誉ゴヤ賞を受賞したスペインの大女優マリサ・パレデス(『オール・アバウト・マイ・マザー』)がジャウメの妻役を演じる。

女優の萬田久子は「人それぞれの切り札の使い方。憎々しい男を巡る人間模様のパズルが埋まったようなバラバラになったような……。雄大な景色の中の絶望は人をちっぽけにしてしまった。不思議なEND(エンド)になぜか安堵(アンド)した私。」とコメント。奥田瑛二も「浮遊するカメラは神なのか悪魔なのか?愛なのか試練なのか?運命という見えない糸が観るものを宿命という迷路へといざない、心と体を静かに縛り上げていく。やがて、観ている者が天空へと浮遊し解き放たれた時無常の笑みがこぼれる。」と絶賛している。

また、美術家の会田誠は「キメ細かい人物設定、過不足ないシナリオ、お見事。パズルがぴったり嵌る感じ。さらに個人的感想言えば、初の演技という素人オッサンの吐き気を伴う存在感がスゴい……。」とコメントを寄せている。

萬田久子(女優)

何を感じ、どう悟ればいいのかしら?!人それぞれの切り札の使い方。憎々しい男を巡る人間模様のパズルが埋まったようなバラバラになったような……。雄大な景色の中の絶望は人をちっぽけにしてしまった。不思議なEND(エンド)になぜか安堵(アンド)した私。

会田誠(美術家)

キメ細かい人物設定、過不足ないシナリオ、お見事。パズルがぴったり嵌る感じ。さらに個人的感想言えば、初の演技という素人オッサンの吐き気を伴う存在感がスゴい……。

奥田瑛二(俳優、映画監督)

浮遊するカメラは神なのか悪魔なのか?愛なのか試練なのか?運命という見えない糸が観るものを宿命という迷路へといざない、心と体を静かに縛り上げていく。やがて、観ている者が天空へと浮遊し解き放たれた時無常の笑みがこぼれる。

川口敦子(映画評論家)

ギリシャ悲劇は究極のファミリー・メロドラマと盲信させる素材を見守る眼の静謐。その澄んだ厳しさに緑、風、自然のおおらかさを拮抗させて物語る監督ハイメ・ロサレス!じわじわと迫りくる才気に陶然と惹き込まれた。

佐々木俊尚(ジャーナリスト)

つらくて悲しくて、でも深くて宿命的で時に素晴らしい人間関係。スペイン映画の真髄を見せつける傑作。

辛酸なめ子(漫画家、コラムニスト)

“上級国民”の手強さは日本もスペインも同じ……。どうやったら立ち向かえるのか、この映画にヒントが隠されています。

野谷文昭(東京大学名誉教授・ラテンアメリカ文学)

ミノタウルスのような怪物的男の王国に果敢に侵入し、真実を求めるペトラ。彼女はテセウスの助けを借りず、自らがテセウスとなって怪物に立ち向かう。虚偽を見抜こうとする彼女の勇気と眼差しの美しさが印象的だ。

和多利浩一(ワタリウム美術館 代表)

ピカソやガウディを生み出したスペインのバルセロナがあるカタルーニャ地方。その美しい風景の中で繰り広げられる人間模様。ヒロインはアーティストとしての新たな領域を生み出す苦悩と自身のルーツを探していく。淡々と過ぎていく日常と異常な事件。それぞれがアートを追求していく異なるプロセスも興味深いものがある。

映画『ペトラは静かに対峙する』は6月29日(土)より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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