紫外線対策の基本、大人も子供も「スリップ、スロップ、スラップ、ラップ!」
肌寒さを感じる雨模様から一転、天気予報によるとゴールデンウィーク終盤は晴れて気温も急上昇。25度以上の夏日という地域が続出する見込みだ。
夏が近づくと気になるのが紫外線。紫外線による肌のダメージは長期間にわたり蓄積するため子供の時からの継続的な対策が重要と言われて久しい。とはいえ、美肌など美容との結びつきが深いこともあり紫外線対策は成人女性が意識するものと考えがちだ。紫外線対策の先進国、オーストラリアではどうだろうか。
国民の3人に2人は70歳までに皮膚がんを発症すると言われるオーストラリア。紫外線対策先進国ならではの徹底した紫外線対策が行われている。
子供の活動の場となる学校や施設における校則・規則はもちろんのこと、サンスクリーン、サングラス、衣類・帽子などのメーカーも含め紫外線対策に関係する業界にはさまざまな法律やガイドラインがある。だが、子どもや親が心がけるべきポイントは極めてシンプルで分かりやすい、「スリップ、スロップ、スラップ、ラップ (Slip, Slop, Slap, Wrap)」だ。
Slip on a Shirt!
(シャツを着よう!)
(日焼け止めを塗ろう!) Slap on a Hat!
(帽子をかぶろう!) Wrap on Sunglasses!
(サングラスをかけよう!)
1980年代末期に「Slip-Slop-Slap」というスローガンと共に始まった「SunSmart(サンスマート)」啓発プログラムでは、皮膚がん予防のための紫外線対策キャンペーンが展開され、特に子供向けには家庭、学校、地域が一体となり徹底した教育や対策が行われてきた。現在では白内障など眼病予防のためのサングラス着用も加わり、スローガンはいろいろなバリエーションと共にアメリカやイギリスなど英語圏の国々でも広まった。
「サンスマートプログラム」(在日オーストラリア大使館)
https://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/aust_sunsmart.html
世界保健機関(WHO)が提唱するUVインデックス(紫外線指数)統計によると、オーストラリアで計測される紫外線量はダーウィンなど赤道に近い地域でこそ年間の半分以上が「極端に強い」を表す「11+」で年間平均値でも10.75だが、人口の多いシドニーの年間平均値は東京の5.9よりも少し高い6.2。メルボルンは東京よりもかなり低い5.3だ。紫外線によるダメージや皮膚がんのリスクは人種や肌タイプ(フォトスキンタイプ)にも大きく左右されるとはいえ、紫外線によるダメージは子供の時から少しずつ蓄積する。オーストラリアの紫外線対策から学べることも多いかもしれない。
"Non-melanoma skin cancer in Australia: the 2002 national survey and trends since 1985."
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16398622
DOI: 10.5694/j.1326-5377.2006.tb00086.x PMID: 16398622
「UVインデックスとは」(気象庁)
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-50uvindex_manual.html
医師・専門家が監修「Aging Style」