平成から令和へ 平均寿命は過去30年間で男女とも5年超の延伸
30年余り続いた平成が終わり令和が始まった。
直近の統計によると日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳(2018年7月20日公表の厚生労働省『平成29年簡易生命表』)。その30年前の統計では男性75.61歳、女性81.39歳だった。改元のタイミングとは少しずれるが統計上の過去30年間で男性は5.48年、女性は5.87年、それぞれ寿命が延びた。
そのさらに前の30年間の平均寿命の延伸幅はそれぞれ12.37年と13.79年だったため、延伸のペースは平成に入って鈍化したことになるが、平成の後半は世界保健機関(WHO)が2000年に提唱した健康寿命の延伸がより重要な課題となった。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」。平均寿命との差、すなわち日常生活に制限のある「不健康な期間」は健康寿命の公表が始まった2001年より改善しておらず、2016年(平成28年)時点では平均寿命との差が男性8.84年、女性12.35年。この短縮が令和の時代の大きな課題だ。
厚労省はこの3月、健康寿命を伸ばして持続的な社会保障制度を構築する「健康寿命延伸プラン」策定の一環として、健康寿命を2040年(令和22年)までに男女とも3年延伸し、男性75.14年、女性77.79年とする目標を定めた。今後も医学・医療のさらなる進歩に伴い健康寿命は平均寿命とともに継続的に延びることが予想されるが、その差を縮めることが令和の課題だ。
医師・専門家が監修「Aging Style」