昨年10月にパヤノ(右)は井上に1回70秒でKO負けを喫した【写真:Getty Images】

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WBSS初戦で敗れたパヤノが再起戦を前に回顧「全く計画通りに運ばなかった」

 昨年10月に行われたボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級初戦で、WBA世界王者・井上尚弥(大橋)に70秒KO負けを喫した元WBA世界スーパー王者フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)。3月9日に米ロサンゼルスで14戦全勝のダミアン・バスケス(米国)との再起戦に臨む猛者は「あれはなかったことにしたい」と“モンスターの悪夢”を振り返っている。米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン.com」が報じている。

 昨年10月、横浜アリーナでパヤノは悪夢を見た。序盤鋭いジャブを放つなど動きの良さを見せたが、井上が初めて放った鮮やかなワンツーを被弾。キャリア初のKO負けの屈辱を味わった。さらに年末には、この試合が米リング誌、WBAなどの「KO・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、パヤノにとって屈辱はさらに増大する形となった。

 記事では「フアン・カルロス・パヤノは無敗のパウンド・フォー・パウンドの新参者ナオヤ・イノウエ相手の悲惨な初回ノックアウトをもう一度体験したいとは絶対に思わない」と報道。ドミニカの猛者にとっても拭い去りたい記憶だという。

「前回の試合は全く計画通りに運ばなかった。だから、あれはなかったことにしたい。そして、もう一度チャンピオンを目指して戦いたいんだ」

代償は大きかった? 復帰まで「かなりの時間を必要とした」

 記事によると、パヤノはこう語ったという。たった70秒、しかも最初のワンツーでキャンバスに沈んだ。想定外の展開だった振り返り、気持ちをリセットして再び、リングに上がる心づもりのようだ。

 ヘッドトレーナーのエルマン・カイセド氏も「パヤノが戦ってくれることを喜んでいる。リングからかなり離れた後、すべての錆を落としてくれた。まだ、2、3か月しか練習していないが、よくやってくれている」と語り、立ち直った愛弟子を称えていたという。

「日本でのファイトの後、(復帰まで)かなりの時間を必要としたんだ」と語ったというパヤノ。“モンスターの悪夢”を振り払い、王者復活を目指してもう一度、走り出す。(THE ANSWER編集部)