89分、日本は上田がPKを誘う。かなり微妙な判定だったがこの大チャンスをしっかり決め切り、日本が8強に勝ち進んだ。写真:徳丸篤史

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[アジア大会]U-23マレーシア代表0-1U-21日本代表/8月24日/インドネシア

 大苦戦をなんとかモノにして、森保U-21ジャパンが8強に駒を進めた。
 
 ジャカルタで開催中のアジア大会・サッカー競技は、現地時間8月23日にラウンド・オブ16が行なわれ、U-21日本代表はマレーシアと対戦。グループリーグで韓国を破ったヤングタイガースの実力は伊達ではなく、前半はポゼッションで30%対60%と圧倒されるなど、苦しい展開が続いた。後半に入っても一進一退の攻防が繰り広げられたが、日本は89分に上田綺世がみずから得たPKを豪快に蹴り込んで先制。辛くも1-0で逃げ切り、準々決勝への道をこじ開けた。
 
 この一戦を熱くレポートしたのが、米スポーツ専門チャンネル『Fox Sports Asia』のアジア・サッカー通記者、ガブリエル・タン氏だ。マレーシアの健闘を大いに称えつつ、日本が得たPKのジャッジに疑問を呈している。
 
「明らかに格上のあの日本を、あと一歩の瀬戸際まで追い詰めながら、マレーシアはまさかのチャンスを決められて惜敗を喫した。文字通りのハートブレイクなフライデーナイトとなったのだ。勇猛果敢に日本の敵陣に踏み込み、90分間を通しての堂々たる戦いぶりには感銘さえ受けた。だが終盤に何度かあった好機でゴールを決め切れず、延長戦が濃厚と思われた終了間際に、手痛い仕打ちを受けてしまう。実に疑わしいPKを決勝点に繋げられたのである。たしかにドミニク・タンはアヤセ・ウエダの後方からチャージを仕掛けたが、VTRを観てもコンタクトをしたかどうかは怪しく、かすった程度だったかもしれない。なんとも悔やまれるシーンだった」

 
 そして、「この絶好機を逃がすウエダと日本ではなかった」と記し、「韓国戦に続く番狂わせを起こせなかったが、今大会では近未来に光を灯すパフォーマンスを示してくれた」と、あらためてマレーシアの出来を激賞した。
 
 薄氷を踏む思いでひとつずつ勝ちを拾っている印象の森保U-21ジャパン。ベスト4の座を懸けた次なる相手は、中国を4-3で打ち負かしたサウジアラビアだ。強敵相手の試練が続く。