大阪維新の会が、若者を取り込むために『LINEスタンプ』で活路を見出そうとしている。2月26日、大阪都構想の特設サイトの開設に合わせ、松井一郎代表(大阪府知事)、吉村洋文政調会長(大阪市長)のLINEスタンプの発売を開始したのだ。

 LINEでやり取りをする際、スタンプは絵柄一つでメッセージを伝えられることからユーザーにとっては必携。政党のスタンプは、これまでにも主要各党がユニークで個性的なものを発売しているが、大阪維新の会では意外にも初めて。
 「他党のスタンプには、程度の差こそあれ、それぞれ党としてのメッセージが込められていますが、維新の場合、一見、それは二の次のように見える。松井氏、吉村氏がそれぞれ『しばく』『悩むわぁ』など大阪の軽いノリのセリフを吐くもので、あくまで使われることを意識していますからね」(在阪記者)

 しかし、その裏には党としてのしっかりとした戦略が垣間見える。
 「大阪都構想の特別サイトとスタンプの販売がセットになっていることでも分かるように、狙いはとにもかくにも大阪都構想の啓蒙で、ターゲットは若い年齢層。維新には代表直轄の広報宣伝戦略室があり、これもそこから出たアイデアと言われています」(自民党大阪市議)

 大阪維新の会の広報担当者もこう期待をかける。
 「LINEでもっと多くの人に、大阪都構想、住民投票に関心を持ってもらえればと思っています」

 加えて、もう一つの狙いと言われるのが、吉村市長の売り出しだ。
 「維新はこの秋にも住民投票を実現させ、大阪都構想に向かいたい構え。それを乗り切る組織の顔として、松井代表に加え、これまで維新からは一歩引いているイメージだった、爽やかさが売りの吉村氏を前面に出したい。さらに言えば、前回否決となった投票時に大阪市長だった橋下徹氏の印象を、なるべく拭いたいというのが本音でしょう」(前出・記者)

 果たして、大阪府民へのアピールとなるか。そもそも住民投票までこぎつけることができるのか。しかし、このスタンプ、松井代表の「ラブ」に対して吉村氏の「なやむわぁ…」は良くできている(笑)かも。