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友人や仕事仲間とつながるSNS。タイムラインでは度々、仕事の愚痴や悪口とも取れる内容を書き込んでいる人も見かけますよね。そんな中、投稿の公開範囲を友人限定公開にして書き込んだ内容をめぐってトラブルに発展することもあるようです。弁護士ドットコムの法律相談コーナーにも複数そのような相談が寄せられていました。

ある女性は、友人に言われたことに反論する形で「XXさんの方がおかしいよね?どう思う?」などと書き込みました。その投稿は限定公開でしたが、友人から「ネット上の投稿に私のことを色々書いたでしょ。投稿を消して私に直接謝罪しない限り誹謗中傷で訴える」と言われたそうです。

友人限定でのSNSで誰かの悪口を書いた場合、それが法的に問題になる可能性はあるのでしょうか。また、その投稿を閲覧できる人が、限定公開の内容をスクリーンショット機能で撮ったり直接見せたりして悪口を書かれた本人に伝えた場合、その友人にも責任はあるのでしょうか。福本洋一弁護士に聞きました。

●不特定または多数の人が認識しうる状態になったかが問題

「友人限定でのSNSで悪口を書いた場合には、特定の限られた者に対して行った行為であるため、名誉毀損罪・不法行為の成否との関係では、『公然性』の要件、つまり『不特定又は多数』の人が認識しうる状態になったといえるかが問題となります」

福本弁護士はそう指摘します。「不特定又は多数」の人というのは、どの程度なのでしょうか。

「共有した友人が何人であれば『多数』といえるかについては明確な基準はありません。ただ、裁判例では、名誉を毀損する情報が実際にどの程度拡散したかを事後的に評価して、個別に判断している面もあると思われます。

そもそもSNSは書き込まれた情報を転送して広めることが想定されている通信手段であるため、少人数の友達との間で共有する場合であっても、不特定または多数の者に認識されうるという『公然性』の要件を満たすことになるおそれがあります」

●本人にバラした友人の責任は問えない

もし、投稿を見られる人が悪口を言われている本人に内容を伝えた場合、何か問題になるのでしょうか。

SNSに書き込みを行う際に、本人には伝えないようにと明記していたとしても、友人は守秘義務に承諾して情報を受領しているわけでもないため、仮に友人が本人に伝えたとしても、その友人の責任を問えるわけではありません。

そもそもSNSは、友人とのおしゃべりとは違って書き込んだ情報が継続的に残ってしまうことや、他者との情報の共有を前提としたオープンな通信手段であることをよく理解して、軽々に他人を不快にするような書き込みを行うことは控えるべきだと思います」

弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士
福本 洋一(ふくもと・よういち)弁護士
弁護士法人第一法律事務所パートナー弁護士、システム監査技術者。2002年同志社大学大学院修了、03年弁護士登録。IT関連法務、個人情報・営業秘密等の情報管理体制の構築・漏洩対応等を取り扱っており、日本経済新聞社の2015年度「企業が選ぶ弁護士ランキング・情報管理分野」にも選出されている。
事務所名:弁護士法人第一法律事務所
事務所URL:http://www.daiichi-law.jp/