もうすぐ2018年。新しい年を迎えると、「毎年、一年の目標を立てている」という人は多いのではないでしょうか。気持ちが新たになる年末年始は、これまでの家計を見直す良い機会でもあります。いつもの目標に加え、節約の目標も立ててみてはいかがでしょうか。そこで今回は、特に注目したい年間の節約ポイント5つをピックアップし、まとめてみました。

○意外とかさむ通信費を見直そう

家計を見直す時、はじめに手をつけたいのは、毎月決まって出ていく「固定費」。その中でも、節約の余地が大きいのが「通信費」です。最近では、スマートフォンが普及し、自宅にもインターネット環境が整っている家庭が珍しくなくなりました。その分、家計に占める通信費の割合は大きくなっています。「スマホ代とインターネット代で毎月1万5,000円程度はかかっている」という人も多いのではないでしょうか。

一方で、通信費は料金プランやサービスが多様化しているため、見直しを行えば、毎月数千円も費用を削減できることもあるのです。たとえば、スマートフォンであれば、格安SIMに変えるという方法があります。格安SIMを利用するには、「SIMフリー」のスマートフォンを購入しなければなりませんが、長い目で通信費を考えれば、新しく購入しても十分元を取ることはできます。格安SIMを使うと、毎月の通信費を1,500〜4,000円程度に抑えられます。また、自宅のインターネットは、固定回線ではなくポケットWi-Fiにすることで、費用を安くできます。

ただ、格安SIMではキャリアの提供するサービスが使えない、ポケットWi-Fiは固定回線と比べて不安定なこともあるなど、デメリットも存在します。そうしたことも踏まえ、普段利用する範囲で支障がないようでしたら、利用を検討してみると良いでしょう。

家賃は収入の2.5〜3割に抑える

毎月の住宅ローンや家賃が高く、家計を圧迫していないでしょうか。住居費がかさむために、食費などの変動費を無理して削っているという人も多いと思います。住居費は、収入の3割まで、できれば2.5割に抑えるのが理想的です。住宅を購入していて返済の負担が大きい場合は、住宅ローンの見直しを検討してみましょう。

一方、賃貸に住んでいると、家賃が高いと感じていても「引っ越しのほうが高くつく」と思い込んでしまうものです。しかし、長い目で見れば、家賃の安い部屋に引っ越したほうが経済的なケースもあります。ある程度の期間、住み続けることを前提にできるのであれば、家賃の安い部屋へ移ることも考えてみましょう。

家賃の安い部屋となると、会社から遠くなる、部屋が狭いなど、今よりも条件が悪くなる場合もあります。しかし、都心から離れて電車に乗る時間が長くなっても、駅に近い物件を選べばあまり通勤時間が変わらないこともあります。また、引っ越しを機に不用品を処分すれば、部屋の広さが多少狭くなっても、不便さはないでしょう。自分にとってこだわりのない点であれば、大きなデメリットにはならないはずです。

○コンビニやスーパーの「ついで買い」をやめる

比較的大きな節約ができる固定費の見直しに比べ、甘く見てしまいがちな金額の小さいムダ使い。用事もないのに何となくコンビニに立ち寄ってお菓子や雑誌を購入してしまう、スーパーで買う予定ではなかったものを「ついで買い」してしまうなど、少額のムダ使いに心当たりはありませんか。

一回1,000円以下といった小さなムダ使いでも、積み重なればまとまった額の出費に。「今年はついで買いや何となくの買い物をやめる」と決めるだけでも、年間では大きな成果につながりますよ。

○毎年旅行に行くなら「旅行積立」がおすすめ

毎年決まって帰省や旅行をしているなら、「旅行積立」を利用してみてはいかがでしょうか。旅行積立とは、積立期間や満期に受け取る金額をあらかじめ決めた上で、旅行会社や航空会社にお金を積み立てる商品です。

旅行積立では、積み立てたお金に「サービス額」が上乗せされ、満期時に受け取ることができます。これは、銀行にお金を預けた時の利息のようなものですが、定期預金などと比べても、非常に高いサービス額が付与されます。年利に換算して1.5%〜3%、それ以上というところもありますので、旅行の時期や予算が決まっているなら、お得に旅費を準備できます。

ただし、旅行積立で積み立てたお金は、満期時に「旅行券」として引き換えるため、旅行以外の目的に使うことはできません。確実に行くと決めている旅行や帰省のために利用しましょう。

○控除を申請して節税する

節約するには、とにかく出費を減らすこと」と思っている人が多いですが、利用できる控除を申請して税金を抑えるのも、立派な節約になります。会社員の人で生命保険料(一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料)や地震保険料を支払っている場合、年末調整でこれらの控除を忘れずに申請しましょう。

年間で医療費が多くかかった場合は、医療費控除が受けられます。医療費控除とは、一年間の医療費の合計が10万円を超えた場合、超えた額が控除の対象となる制度です。医療費控除を受けるには確定申告をする必要がありますが、控除が適用されれば、税金が還付されたり減額されたりしますので、面倒でも行うようにしましょう。

また、2017年から「セルフメ/article/kumiko_hojo-1/ディケーション税制」という制度が始まりました。これは、会社の健康診断やインフルエンザの予防接種を受けている人が、薬局で自分や家族のためにスイッチOTC医薬品(これまで医師に処方されていた薬が、薬局で買えるようになったもの)を一定額以上購入した場合、12,000円を超えた額が所得控除の対象となる制度です。こちらも確定申告を行うことで控除が受けられますが、普通の医療費控除とセルフメディケーション税制は重複して利用できず、どちらかを選択することになります。

今回は、5つの節約ポイントを挙げてみました。他にも、ちょっとした工夫で節約はできますので、年末年始にお金の使い方を見直してみると良いでしょう。ムダ使いを減らした分は自己投資に回すなど、より有意義なマネーライフが送れる一年にしたいですね。

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著者:武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。