フィギュアスケートの宇野昌磨は、27日に開幕するグランプリシリーズ第2戦のカナダ大会に出場する。23日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、宇野が「攻め」を重視する理由を明かした。

寺川俊平アナウンサーのインタビューで、宇野は「試合のときに跳べるかどうかにかかわらず、全力を出し切るのが『攻める』」「無難にいこうと思ったときは『守り』」と説明している。

実際、宇野はシニアに参戦した2015年に1種類(トウループ)だった4回転ジャンプも、9月のロンバルディア杯で4種類目(トウループ、フリップ、ループ、サルコウ)まで成功させた。

だが、安定したものを出せる構成にすれば、より勝負しやすくなるはずだ。リスクを負う戦い方をする理由はどこにあるのだろうか。

宇野は「経験上、リスクを負ったほうが良いパフォーマンスをしている」とコメント。「できることだけをプログラムに入れて滑るのは、できると自覚しているのですごくプレッシャーがかかる」と、簡単な構成にすることで、難しい挑戦とは違う緊張感が生まれると明かした。挑戦することで、そのプレッシャーが少し緩和されるのだという。

ただ、宇野が攻めの姿勢を貫く理由はほかにもある。ソチ五輪の金メダリスト、羽生結弦の存在だ。宇野にとって、羽生は「いつか勝ちたい」と目標にしている憧れの選手。その羽生と「同等の選手になるためにもっともっと成長したい」という思いが、宇野の「攻め」につながっているのだ。

宇野は「人に追いかけられるより追いかけるほうが絶対に楽だと思うので、今はそれに甘えさせていただきます」と、羽生を道しるべにさらなる飛躍を遂げたいとの思いをうかがわせた。

寺川アナによると、宇野は取材中に本来は「守り」の性格と明かしたという。だからこそ「攻め」を自分に言い聞かせているそうだ。最大のライバルも、「自分自身」。弱気・不安になる自分を打ち破っていかなければいけいない――寺川アナは、それが「攻め」の根本にある宇野の思いと伝えた。