高木監督(左)は「メンタリティに手応えを感じる」。風間監督(右)は「着実に強くなっている」と語った。

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[J2リーグ38節]長崎1-1名古屋/10月21日/トラスタ
 
 まさに白熱の一戦だった。
 
 トランスコスモススタジアム長崎で行なわれた3位・長崎と4位・名古屋のJ2上位対決。1-1の痛み分けに終わったものの、両チームのサポーターは、手に汗握る白熱の攻防を楽しんだに違いない。
 
 ドラマが待っていたのは、試合終了間際のラスト5分だ。0-0で迎えた88分、まずは名古屋が先制点を奪う。エリア内に走り込んで来た青木亮太がPKを獲得すると、これをシモビッチが豪快に蹴り込んだ。
 
 しかし、その2分後。今度は長崎のエースが仕事をする。中盤でボールをキープした長崎は、サイドチェンジして左の翁長聖にボールを供給。このアタッカーがドリブルで仕掛けてクロスを上げ、中央のファンマが頭で合わせて同点弾を叩き込んだ。
 
 長崎はタイトな守備からのサイドアタック、名古屋は巧みなパスワークを活かした攻撃と、お互いに特長を出し合った好試合に、両指揮官も手応えを感じたようだ。
 
「成長を感じられるゲームだった。あと4試合につながる。手応えを感じるのはメンタリティ。ビハインドを背負った状態で名古屋から点を取り返すのは難しいと思うが、そこから諦めずにできた」(長崎・高木琢也監督)
 
「非常に良い試合だった。辛抱するところは辛抱し、最後までしっかり指示に応えてくれた。ワンプレー足りなかったのは残念だが、着実に強くなっているので続けたい」(名古屋・風間八宏監督)
 
 直接対決での引き分けは、下位の名古屋にとって大きなダメージだろう。それでも風間監督が選手たちを讃えた事実が、いかに好ゲームだったかを物語っている。
 
 この引き分けで、3位の長崎は2位・福岡と並ぶ勝点68に。名古屋は同66で4位をキープした。両チームとも自動昇格圏内には入っていないが、このハイパフォーマンスを維持できれば、ラスト4試合でのラストスパートが期待できそうだ。