フィギュアスケートのグランプリシリーズ初戦、ロシア大会が20日に開幕する。注目は、フリーで4回転ルッツに臨む羽生結弦だ。19日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、スポーツキャスターの松岡修造とフィギュア解説者の織田信成が、羽生の新たな挑戦に期待を寄せた。

ルッツはトゥループ、サルコウ、ループ、フリップをさらに上回る難易度のジャンプ。それだけに、高いジャンプ力と速い回転力が必要と解説する織田は「オリンピックシーズン、それもまたこのタイミングで跳ぶのは驚き」と、後輩のチャレンジに感嘆した。

松岡も同様に、羽生とのインタビューで「驚きでしかない」と率直な感想を伝えた。だが、羽生は夏から練習してきた構成だと強調。「(構成に)入れるというのは質の良いものが跳べるという自信でもある」と強気な姿勢を示し、「自分に課した挑戦、攻めをしっかり形にしたい」と意気込んだ。

この自らを高める姿勢こそが、羽生の羽生たるゆえんだろう。すでに十分戦っていけるだけの美しいジャンプを持つ羽生だけに、織田は「勝つための戦略としては(4回転ルッツは)必ずしも必要ない」としつつ、「さらに難しいことに挑戦していくのが羽生結弦」だと述べた。

松岡も、平昌五輪で圧倒的な勝利を望んでいるという羽生が「相手は関係なく、技術も芸術もすべて自分の限界に挑戦している」と称賛している。

ただし、フリーの4回転ルッツの前に、まずは20日のショートプログラムをしっかりとこなさなければならない。織田は「4回転ループを入れた構成をどこまで決められるかがポイント」と予想した。