絶妙なポジショニングとテンポの良いパス捌きで攻撃に変化を加えた小林。果たして監督の評価は……。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2017]日本 3-3 ハイチ/10月10日/日産スタジアム
 
「ニュージーランド戦でも、その前も試合を見ていて、みんなが高い位置に入り過ぎてスペースがなくなっていると感じていた。だから自分はあえてそこに入らずに(遠藤)航の脇とか、あと相手のサイドバック、サイドハーフ、ボランチの脇(にポジションをとった)。時に開いたり、時に内側を使って、(酒井)高徳くんとか、(杉本)健勇とか、(蔵田)秋くんがフリーになればいいなと思って動いて、パスをテンポ良く捌いていた」
 
 ハイチ戦で自身のプレーをこう振り返ったのは、小林祐希だ。この言葉どおり、日本代表は前半、あえて下がり目に位置を取ったこのMFを起点に、酒井高や杉本らが絡み、小気味良いパスワークを時折見せていた。小林自身も「前半はその動きがうまくいって、スルーパスもあり、良い形が何回か作れた」と手応えを語っている。絶妙なポジショニングでマークを剥がし、タメを作る動きは攻撃のアクセントになっていた。
 
 とはいえ、前に出ていかずに捌くばかりのプレーは、やや消極的だとの捉え方もある。そもそも、縦に速い攻撃を標榜するハリルジャパンにとっては、あまり選択肢にないプレーだ。
 
「俺としては、それ(タメを作れること)が特長。そこを見てくれるのは嬉しいんですけど、そのせいでプレーが遅いとか言われるかもしれない。俺は意識的に遅らせたのに、監督がそれを1個遅れてると思っていたら、それは“ズレ”。ただ評価するのは監督なので、なんとも言えないですね」
 
 小林は自身のプレースタイルとヴァイッド・ハリルホジッチ監督の考えに“ズレ”があるかもしれないと懸念を口にするが、続けてこうも言う。
 
「でも、その“ズレ”が前半に関しては、相手を嫌がらせていたと思っている。後半はもう少しダイナミックなプレーを増やそうかなと思ったところで交代になっちゃったので残念ですけど、サイドチェンジなど自分の持ち味を出そうとした姿勢を見てくれている人はいるかな」
 
 攻撃のリズムを変える異質な存在。果たして、ハリルホジッチ監督の目には、この日の小林のプレーはどう映ったのだろうか。

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