サッカー日本代表は10日、キリンチャレンジカップでハイチ代表と対戦し、3-3と引き分けた。前回のニュージーランド戦から先発メンバーを9人入れ替えて臨んだ強化試合。格下を相手にあわや敗戦という苦戦を強いられ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は怒りをあらわにしている。

ロシアでのワールドカップ(W杯)本大会を見据え、代表への生き残りを懸けたサバイバルマッチとして注目された一戦で、日本代表は7分に倉田秋、17分に杉本健勇と早い時間帯に2点を先行。だが、28分に1点を返されると、後半も53分、78分と立て続けに失点してしまう。

このまま、まさかの黒星かと思われた日本は、アディショナルタイムに香川真司のゴールで辛くも負けを免れた。だが、ハリルホジッチ監督は「長年監督を続けているがこんなに内容の悪い試合は見たことない」と怒り心頭だ。

「内容が悪い」と指摘したのは、サッカー解説者の澤登正朗氏も同じだ。10日放送、テレビ朝日「報道ステーション」に出演した澤登氏は、「このような試合を繰り返していると本当にひどい状況になる」と苦言を呈したハリルホジッチ監督に「そのとおり」と賛同した。

澤登氏はハイチに1点を返された28分の失点シーンで、中盤の小林祐希がゴールを決めたケビン・ラフランスにしっかりとマークについて戻ることをしなかったと指摘。「これじゃダメですね」と厳しく言い放った。

さらに同点とされた場面では「FKで集中力がない」「準備ができていないのであわててスペースを空けてしまう」とコメント。勝ち越しを許したシーンでも「ディフェンスがボールに寄せ切れていない。そうするとこうやってフリーでシュートを打たれてしまう」と、日本のミスを次々に指摘した。

本田圭佑や岡崎慎司、長谷部誠といった常連組が不在だっただけに、今シリーズでは国内組を中心に存在感をアピールすることが期待されていた。澤登氏は「アピールできた選手とできなかった選手が明暗を分けた」と、ふるいにかけられる選手たちがいたことを示唆している。

日本代表は11月にブラジル、ベルギーと強豪国との2連戦を控えている。澤登氏は「この2チームと対戦した中で立ち位置が分かってくる」と、大事な2試合だと強調した。