9月21日(木)、予約台帳サービスを提供する株式会社トレタが主催する、外食産業の未来を考える「FOODIT TOKYO 2017」が開催された。3回目を迎える今年のキーワードは「生産性」。外食産業が目指すべき未来を提言していく。基調講演でテリヤキスト堀江貴文氏が「外食産業発展のための提言」をテーマに儲かる店・流行る店・なくなっていく店ーいま外食産業が「やるべきこと」ーについて語った。

飲食店で儲けたかったら「海外へ」

堀江氏は、「せっかくいい腕があって、これから新しく飲食店を起こそうとしてる人が日本の市場だけをみて、ビジネスをするのは得策ではない」と提言。海外での成功例として、シンガポールにお店を構える寿司店の『あし乃』(※西麻布で人気の寿司店『すし通』出身の方が始めたお店)を例に出した。日本には寿司店は至る所にあるが、すでにレッドオーシャンであるのと一人当たりの単価が海外と比較すると安価である。シンガポールの同店では、昼の部で1人当たりの単価が6~7万円ほどと東京の倍以上の価格でも常にお客さんで賑わっていると言います。
また、シンガポール以外にもモンゴルとかカンボジア、イスラエルでの出店もおすすめしていた。特にイスラエルでは、1人当たりのGDPが高く、日本料理も基本的にまずいものしかないので、狙い目だと言う。一度ライセンスを取ってしまえば、他の人がライセンスを取るのに時間がかかるため参入障壁は高くなる。今回の話を聞き、思い立ったら即行動することが、成功への近道かもしれない。

価格の安い業態はコンビニに取って代わる?

堀江氏が2つ目に話をしていた話題が、数年前から言及しているコンビニのイートイン展開について。世の中には、某チェーン店の居酒屋を始め価格が安く、味はそこそこのお店が数多く存在する。そんな、価格競争に陥っている業態は、近い将来確実に「コンビニ」に取って代わられると堀江氏は指摘する。実際にAmazonが「Amazon Go」という無人コンビニを発表。さらに、中国では無人コンビニができています。
大手コンビニチェーンストアの冷凍食品などを始め食料品は、非常にクオリティが高く、十分美味しいと言える商品ばかり。しかも、価格も数百円で購入することができる。それを後押しするかのように、大手コンビニでは、イートインスペース(ちょい飲み)の拡大を積極的に進めています。
そのような背景もあり、今後さらに低価格飲食業態の脅威になることは間違いない。最終的には、人と人とのコミュニケーションが必要で、料理を作る部分は人に任せてもいいくらい。コンビニ以外でもスーパー飲みとかもありだと思うんですよ。とコンビニ以外の選択肢も提示した。

飲食店の究極は「スナック」?

堀江氏が講演中何度も繰り返し話ていたのが、飲食店の本質は、「人と人とのコミュニケーション」であるということ。現時点での飲食業態で究極なのは「スナック」であるとも述べていた。「スナック」というのは、全国どこの田舎町に行ってもあるという。なぜなら、スナックの本質は、「人と人のコミュニケーション」を取る場だからだ。堀江氏が以前「寿司職人が何年も修業するのはバカ」と発言し、話題になっていた。寿司の技術を学ぶ為だけに10年も割くくらいなら、YouTubeやクックパッドなどで技術を習得して、コミュニケーション能力を高める為に時間を割いた方がいいという。「寿司職人が何年も修業するのはバカ」というキーワードだけをみると疑問に思うかもしれないが、本質的にはこうした意味が込められていた。この部分に気づけるか否かでも差がつく。
堀江氏が手がけている「WAGYUMAFIA」では、肉磨きのパフォーマンスなど、ライブパフォーマンスに力を入れ、お客さんにも喜んでもらえる仕組みを作っている。このように、美味しいのは当たり前でいかにパフォーマンスなどコミュニーケーションを突き詰められるかが今後重要になってくる。

最後に、堀江氏が今後飲食業界で関わる人に重要な要素は、修業期間ではなく、センスの良さ。コミュニケーション能力が高いことが大事。とアドバイスをしてくれました。