福士蒼汰『愛してたって〜』完結編問題に進展か?BPO審議入りの動きも(写真はイメージです)

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 秋元康(59)が企画原案を担当したドラマ『愛してたって、秘密はある。』(日本テレビ系)が「本当の完結編」はHuluで配信すると告知し、ネットメディアを中心に非難囂々の批判がを受けている。同ドラマは福士蒼汰(24)が主演をつとめ、17日に最終回・第10話を迎えたが、ドラマ終了後にいきなり予告編がスタート。主人公の正体が新たに判明し、「脅迫の全貌が明らかに」「huluで配信スタート! 前篇このあとすぐ!」とオリジナルストーリーが有料のHuluのみで配信されることが告知された。

「サスペンスでこの手は悪質です。視聴者に10時間近くを費やさせた後で、いきなり結末がhuluだけと発表するのはバカにしてるにも程がある。『スピンオフなら許せるけど、”本当の結末”はないだろ!』『家族で楽しみに観てたドラマなのに。結末がHuluだけと知ってたら見なかった…』と 非難があがるのも仕方ありません」(テレビ局関係者)

 19日になって日本テレビ広報部はHulu版は番外編だと釈明。「『本当の完結編』という表現をHulu版の一部告知で使用したことで誤解を招いてしまいました」とした。だが、ネットでの反対意見は収まらない。同ドラマの企画原案に秋元康が名を連ねていることから「確信犯だったのでは?」という声も多く上がっている。

「秋元といえば、AKB48の渡辺麻友(23)の『サヨナラ、きりたんぽ』(テレビ朝日系)で、『阿部定事件をモチーフにして男性器を連想させるようにきりたんぽを使わないように』と秋田県の関連団体から注意を受けて、『サヨナラ、えなりくん』に改名するなど話題を集める手法はさすが。今回のドラマも同様に『とにかく話題性優先。怒られたら謝ればいい』と周辺は意気込み、Huluへの誘導に積極的だったとも囁かれています」(前出・関係者)

 露骨すぎる集客に「テレビ界が最も怖れる”あの組織”が動き始めた」と説明するのはテレビ雑誌の編集者。

「過去に同じようなケースは09年8月30日放送の『仮面ライダー ディケイド』(テレビ朝日系)の最終回でも行われている。『テレビ本編が終了した直後に、本当の完結編となる”映画版”の告知を流した』として、子供たちや母親から苦情が殺到し、あの「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が審議する騒ぎになりました。今回の件でも、すでにネットSNSからBPOに苦情が多数送られており、また『日本テレビがHuluの主要株主である』ことからも事態を重くみたBPOが動いている。放送法第51条の2の規定に『対価を得て行う広告放送は視聴者が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない』とあります。全10話のエピソードが壮大なHuluへの誘導だと考えれば、この”だまし討ち”は放送法違反の可能性もある」

 タイトルの『愛してたって、秘密はある。』の最大の「秘密」は「Huluへの誘導」が仕掛けられていたとしたら随分と視聴者はバカにされたものである。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。