2016年、日本ハム優勝の瞬間=西武プリンスドーム(C)KYODO NEWS IMAGES

写真拡大

◆ 西武ファンの切なる願い「トラウマ植え付けないで」

 西武ファンが恐れていることが、また今年も起こってしまうかもしれない。

 1日、ソフトバンクに優勝マジック「16」が点灯。さらに、楽天との直接対決で3連勝を飾り、3日試合終了時点で、マジックは「12」となった。ソフトバンク優勝の“Xデー”は着々と近づいてきている。

 そしてその迫りくる“Xデー”に戦々恐々としている人たちがいる。それは西武ファンだ。

 現在、ソフトバンクの最短優勝日は9月13日。ヤフオクドームで行われるオリックス戦だ。しかしその3日後、16日からはメットライフドームでソフトバンク3連戦が組まれており、そこでの優勝の可能性も大いに考えられる。

 もちろん、相手チームの胴上げを見ることはどの球団、そしてファンにとっても阻止したいもの。しかし、西武の関係者と西武ファンにとってその思いはどの球団よりも強いに違いない。

「もう相手チームの胴上げはみたくない」

「もう西武ドームで他球団の胴上げ見飽きた」

「西武ファンの前で他チーム胴上げする無限ループから解放されて欲しい」

「またトラウマ植え付けないで」

 ツイッター上では西武ファンの切実な声が多く上がっていた。

 なぜこんなにも、西武ファンは目の前での胴上げを恐れているのか。実は西武、ここ2年連続で目の前で相手チームの優勝を許している。

 西武は2015年の9月17日、「M1」でリーグ優勝に王手をかけていたソフトバンクとヤフオクドームで対戦。西武は5-3で敗れ、目の前で工藤監督が宙に舞うのを見届けた。

 昨季9月28日、この日もマジックを「1」としていた日本ハムと対戦。西武・菊池雄星、日本ハム・大谷翔平という花巻東高の先輩・後輩対決としても注目を集めた試合は、大谷の前にわずか1安打、15三振と散々な結果で敗戦(0-1)。2年連続で苦杯をなめさせられた。さらにこの日、西武は本拠地最終戦ということもあり、球場には多数の西武ファンが駆け付け、この屈辱を目の当たりにすることとなった。

 これだけではない。さらにさかのぼると、最後にリーグ優勝を飾った2008年を境に、8年間で実に5度も相手チームの優勝を眼前で見届けている。また、目の前での胴上げではないが、2010年、2012年は2位だった西武が敗れたことにより、首位チームの優勝が決まった。特に2010年は西武が「M4」としながら、本拠地でソフトバンクに3連敗し、そのまま逆転優勝を許したことは、脳裏に強く焼き付いているのではないだろうか。つまり、2009年以降、2014年以外のリーグ優勝に西武が絡んでいることとなる。

◆ とにかく勝つのみ

 目前胴上げの悔しさを忘れるな。

 今のソフトバンクの状態とゲーム差を考えると、優勝の阻止は難しいミッションかもしれない。さらに、残り試合の関係で現在はマジック対象チームが楽天となり、西武とは関係のないところでマジックはどんどん減っている。

 しかし、それでも西武のやることは変わらない。3年連続の屈辱を阻止するためには、とにかく勝ち続けるしかないのだ。

【2009年以降優勝決定試合】

<2016年>

優勝:日本ハム

9月28日 ●西武vs日本ハム○(西武プリンス)

<2015年>

優勝:ソフトバンク

9月17日 ○ソフトバンクvs西武●(ヤフオクドーム)

<2014年>

優勝:ソフトバンク

10月2日 ○ソフトバンクvsオリックス●(ヤフオクドーム)

<2013年>

優勝:楽天

9月26日 ●西武vs楽天○(西武ドーム)

<2012年>

優勝:日本ハム

10月2日 ●西武vsロッテ○(西武ドーム) ※2位西武が敗れたため優勝決定

<2011年>

優勝:ソフトバンク

10月1日 ●西武vsソフトバンク○(西武ドーム)

<2010年>

優勝:ソフトバンク

9月26日 ○日本ハムvs西武●(札幌ドーム) ※2位西武が敗れたため優勝決定

<2009年>

優勝:日本ハム

10月6日 ○日本ハムvs西武●(札幌ドーム)