パ新人王レースは西武の源田が圧倒優位、19年ぶりの野手新人王なるか?
先発投手はオリ山岡、ホークス石川がややリード
NPBのペナントレースは各チームともに70%以上を消化した。そろそろシーズンの大勢が決まりつつある。新人王争いもほぼ絞られてきたようだ。まずはパ・リーグから、現時点での新人王候補の成績を見ていこう。
新人王の資格は、1年目の選手だけに限らない。支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、前年までの総出場が投手は30イニング以内、野手は60打席以内の選手が該当する。
○パ・リーグ投手(15イニング以上、)※は1年目
山岡泰輔(オ)17試合105回2/3 5勝8敗 防3.49※
石川柊太(ソ)26試合76回 4勝3敗1H 防2.96
佐々木千隼(ロ)11試合59回1/3 2勝7敗 防5.61※
松本裕樹(ソ)14試合56回2/3 2勝4敗 防4.92
黒木優太(オ)48試合47回1/3 5勝2敗2S24H 防3.42※
有吉優樹(ロ)40試合41回1/3 2勝4敗9H 防3.27※
近藤大亮(オ)36試合37回2/3 1勝0敗1S13H 防2.87
石川直也(日)34試合34回2/3 0勝1敗7H 防3.38
酒居知史(ロ)13試合33回2/3 1勝0敗1H 防3.21※
森原康平(楽)34試合31回1/3 2勝4敗13H 防4.88※
上原健太(日)8試合31回1/3 1勝4敗 防6.03
平井克典(西)29試合31回 1勝0敗1H 防0.87※
高梨雄平(楽)28試合27回1/3 1勝0敗7H 防0.99※
菅原秀(楽)27試合26回2/3 1勝0敗1H 防4.05※
公文克彦(日)29試合25回 2勝0敗 防3.96
小林慶祐(オ)21試合20回2/3 2勝0敗 防3.92※
田中豊樹(日)19試合19回 0勝0敗3H 防3.32
野田昇吾(西)20試合18回2/3 0勝0敗 防2.41
土肥星也(ロ)16試合17回1/3 0勝1敗2H 防6.23※
古川侑利(楽)4試合17回1/3 0勝1敗 防4.67
玉井大翔(日)16試合17回1/3 1勝1敗1H 防3.12※
東條大樹(ロ)12試合17回 0勝0敗1H 防6.88
大山暁史(オ)23試合15回2/3 1勝0敗4H 防4.60
岡本健(ソ)13試合15回 1勝0敗1H 防5.40
規定投球回数に達している投手はいない。オリックスの山岡は7月8日に一度登録抹消されたが、7月22日に再登録されてからはローテーションを維持している。しかし、以後の5試合でQS(6回以上投げて自責点3以下)は2度だけ。打者に投球スタイルを覚えられた感がある。
ソフトバンクの石川は5月27日までは救援で起用されたが、5月31日以降は先発投手に配置換え。4勝を挙げてローテの一角を担っている。
救援投手ではオリックスの黒木と近藤、楽天の森原らが重要なポイントでマウンドに上がっている。
規定打席到達打者は西武の源田のみ、オリ武田も4月から1軍でプレー
○パ・リーグ打者(1安打以上)
源田壮亮(西)109試合116安打3本45点29盗 打率.265※
武田健吾(オ)85試合57安打2本13点0盗 打率.300
石井一成(日)83試合36安打2本15点2盗 打率.169※
平沢大河(ロ)38試合18安打0本2点1盗 打率.196
水口大地(西)46試合14安打0本4点5盗 打率.286
清水優心(日)40試合9安打0本2点0盗 打率.158
横尾俊建(日)21試合8安打0本0点0盗 打率.190
香月一也(ロ)16試合7安打0本2点0盗 打率.212
太田賢吾(日)13試合6安打0本3点0盗 打率.222
田中和基(楽)35試合4安打1本2点6盗 打率.129※
鈴木昂平(オ)54試合3安打0本0点0盗 打率.100
岸里亮佑(日)7試合2安打0本0点0盗 打率.143
森本龍弥(日)5試合1安打0本0点0盗 打率.111
真砂勇介(ソ)9試合1安打1本1点0盗 打率.083
西武の源田が唯一規定打席に達し、すでに116安打を記録。開幕から1人で遊撃のポジションを守り続けている。29盗塁は、リーグ1位の日本ハム西川遥輝を1差で追う2位だ。
オリックスの武田は4月12日に1軍昇格してから一度も2軍落ちせずプレー。当初は外野で先発することが多かったが、最近は主として代打、守備固めで起用されている。
例年投手が選出されることの多い新人王だが、今季は源田(西武)の優位は動かない。オリックスの山岡泰輔が規定投球回数に達して2桁勝利を挙げれば票は分かれるだろうが、残り試合を考えても厳しそうだ。パでは、1998年の小関竜也(西武)以来となる野手の新人王が、ほぼ見えてきたのではないか。(広尾晃 / Koh Hiroo)