ウサイン・ボルト【写真:Getty Images】

写真拡大

「負傷していないのではないか」…“疑惑”の声に対してツイッターで詳細公表

 人類最速男と呼ばれたウサイン・ボルト(ジャマイカ)は、陸上の世界選手権・男子400メートルリレーのレース中に左太もも裏の痙攣を起こし、ラストランは途中棄権という悲劇の結末となった。その怪我の状況について、ボルトが自身のツイッターで「全治3か月」だと明らかにした。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」電子版などが報じている。

 男子100メートルでジャスティン・ガトリン(米国)との接戦の末に銅メダルに終わり、自身最終種目となった400メートルリレーはすべてを懸けるラストランだった。しかし、アンカーを務めたボルトを、走り始めてすぐに異変が襲う。苦悶の表情を浮かべると、足を引きずるような素ぶりでコース上に倒れ、幾多の栄光を刻んできたトラックに突っ伏した。医療スタッフ、チームメイトが駆け寄ってもしばらく立ち上がれなかった。

 競技後にはジャマイカチームから「招集所が寒すぎた」と大会運営に疑問を呈す言葉が出ると同時に、ボルトには「負傷していないのではないか」という“疑惑”の声が挙がった。引退後に派手なシャンパンパーティーに興じていたこともその一因となったのかもしれないが、米国で最も権威のあるスポーツ総合誌「スポーツ・イラストレイテッド」電子版によれば、ボルトは17日に自身のツイッターで怪我の詳細を公表したという。

「俺は少し休むよ。自分の人生の次章に移るためにね」

「悲しいことに、俺は左足のハムストリングと大腿二頭筋の接合部が肉離れしてしまった。3か月のリハビリ期間が必要だろう。いつもの俺なら診断結果を公にはしないが、今回は残念ながら、俺が負傷しているのかと疑問を持つ人々の声が聞こえたんだ」

 自らの負傷が“真実”であると訴えたボルトだが、記事によればこの投稿はすぐに削除されたようだ。ただ一方で、「俺はファンをごまかすための行動はしないし、世界陸上で優勝したいという野心はファンとの最後の時間となった。ファンのサポートに感謝しているし、俺は休むよ。自分の人生の次章に移るためにね」とも記したという。

 最後までスプリンターとしてのプロ意識を貫いたことを、ボルトは世界中のファンに伝えたかったのは間違いない。