埼玉西武が破竹の8連勝、“炎獅子”赤いユニフォームで躍動する富士大3選手
「ライオンズフェスティバルズ」で“炎獅子”の赤ユニフォームを着用
埼玉西武の夏を彩るイベントとして開催されている「ライオンズフェスティバルズ」。昨季のエメラルドユニフォームとは打って変わり、今季は「炎獅子」と称される赤いユニホームを身にまとい、ホーム、ビジター合わせて24試合を戦う。
炎獅子ユニホームの配布初日となった7月22日の試合では、チケットが完売するなど盛り上がりを見せたこの企画。さらに今季は、初めて赤いユニホームに身を包んだ21日から、チームは今季最長の8連勝を飾るなど、思わぬ好影響までもが生まれている。
そんなチームにおいて輝きを放っている3選手を紹介したい。外崎選手、山川選手、そして多和田投手だ。奇しくも、彼らはいずれも富士大学出身である。
まずは、今季、埼玉西武外野陣の一角に定着した外崎選手から。2014年にドラフト3位で埼玉西武に入団すると、早速遊撃のレギュラー争いに参戦して43試合に出場。プロ初安打・プロ初本塁打を記録するなど、充実のルーキーイヤーを過ごす。
2年目となった昨季は遊撃手として開幕スタメンに名を連ねるが、5月17日までに打率.135と不振に陥り、登録抹消。しかし2軍では56試合に出場し、打率.293、12本塁打と、持ち前のパンチ力を発揮する。この活躍が認められて7月11日に1軍に復帰すると、その後は打率.286、2本塁打と実力の片鱗を見せた。
今季はオープン戦から外野にチャレンジし、4月16日の千葉ロッテ戦で左翼手として初のスタメン出場を果たす。怪我で金子侑選手や森選手を欠く中で出場機会を増やし、ここまで82試合、打率.234、8本塁打と躍進を続けている。特に炎獅子ユニホームをまとった試合では、打率.276、1本塁打と好調。7月21日の北海道日本ハム戦では、決勝打を放ってお立ち台にも上がった。実家がりんご農家なだけに、馴染み深い「りんごカラー」を身に着けて、今後も若獅子らしく熱く躍動してほしい。
2人目は山川選手だ。2013年のドラフトで2位指名を受けて入団したが、ルーキーイヤーのキャンプ序盤に故障離脱してしまう。シーズン終盤にようやく1軍デビューを果たすと、2本塁打を放った。翌年は1軍出場に恵まれず、本塁打も0に終わったが、昨季ついにその実力が開花する。シーズン完走はならなかったものの、自身初の2桁本塁打を放ち、チームの強力打線の中で存在感を示した。
輝き放つ外崎、山川、多和田の富士大トリオ
さらなる活躍が期待された今季だが、シーズン序盤はなかなか調子が上がらず。5月1日に登録抹消となった。しかし、2軍で打率.323、10本塁打と圧倒的な成績を残し、7月8日に再び1軍の舞台に。7月は打率.286を記録するなど躍動している。
山川選手は、「ライオンズフェスティバルズ」の期間中に特筆して成績が良いわけではない。しかし、7月26日のオリックス戦で決勝打を放ち、チームの連勝に大きく貢献した。炎の祭典はまだまだ続くだけに、山川選手の豪快アーチにも期待していきたい。
最後に紹介するのは多和田投手だ。2015年のドラフト1位で入団した右腕は昨季、故障で出遅れながらも5月14日の北海道日本ハム戦で初先発を飾る。6月19日の東京ヤクルト戦で初勝利を挙げると、8月11日の北海道日本ハム戦では圧巻の完封勝利を決めるなど、収穫の多いルーキーイヤーを過ごした。
岸投手の移籍もあって、先発ローテーションの一角として自立することが期待された今季だったが、4月は4試合に登板し0勝2敗と振るわず、再調整を余儀なくされる。それでも1軍復帰から2試合目の登板となった7月10日の千葉ロッテ戦、6回を3失点にまとめて待望の今季初勝利を挙げた。
そして多和田投手は、炎獅子ユニホームを身にまとった7月22日の北海道日本ハム戦と、29日の千葉ロッテ戦の2試合連続で好投を披露する。ともに7回まで投げて無失点、9奪三振。昨季も7月以降に6勝を挙げているだけに、今後の飛躍に期待がかかる。
この3選手の母校、富士大学といえば、赤いユニホームが印象的なチームだ。ゆえに今季の「ライオンズフェスティバルズ」での彼らの活躍には因縁めいたものを感じる。好調の埼玉西武はどこまで連勝を伸ばせるだろうか。躍進を続ける炎の獅子たちから目が離せない。(Full-Count編集部)