プレシーズンの帯同メンバーから外され、イングランドへと戻されたケネディ。ブラジルのユース代表にも選ばれた実力者だけに、これをきっかけにしっかりと態度を悔い改めたいところだ。 (C) Getty Images

写真拡大

 やはり取り返しのつかない稚拙な発言だった。現地時間7月24日、チェルシーはSNSで中国に対して侮辱的な発言をしたブラジル人MFをプレシーズンの帯同メンバーから外し、イングランドに強制送還した。英紙『サン』など複数メディアが伝えている。
 
 ケネディは、現地時間7月21日にインスタグラムで2つの動画を公開。1つは「クソッタレ中国」と文字をつけたもの、もう片方は居眠りをする警備員を映し、「起きろよ、中国のバカ」という文字をつけたものだった。
 
 動画は消去されたものの、これを見た中国人ファンたちは即座に反応。中国メディアも大々的に取り上げ、『人民網』は、「このような選手もクラブも歓迎できない」と非難していた。
 
 これらの“炎上”騒動を受けてチェルシーは、7月23日に公式サイトで「チェルシーは中国のみなさまに謝罪します。その振る舞いは、チーム全体を代表するものではありません。彼に対しては強い叱責と規律措置を行ないました」と、中国語付きで謝罪と対応についてのコメントを掲載した。
 
 さらに渦中のケネディも、「私の行動が中国の人々に不快な思いをさせたことを心から謝りたいです。誰かを侮辱、または怒らせる意図は全くありませんでしたが、私のコメントは不適当でした」と謝罪していた。
 
 しかし、様々なSNSを通じて動画が拡散されたことも手伝って、騒動は鎮火するどころかさらに勢いを増している。とりわけ、侮辱的な発言を受けた中国側は怒り心頭だ。英紙『ミラー』は、中国メディア『人民日報』の記事コメントを紹介している。
 
「ケネディとチェルシーが謝罪したとしても、それで許される問題ではない。中国が屈辱に晒されたこの事件を、多くの人々が許してはいけない。ケネディの馬鹿げた発言はあまりに無礼で、無神経だ」
 
 こうした中国メディアの怒りの報道を受けてか、チェルシーはケネディをプレシーズンツアーのメンバーから外し、イングランドに強制送還させたと英紙『サン』は伝えている。
 
 同紙は、「アントニオ・コンテ監督がその行ないにうんざりし、ケネディはイングランドへ戻るように命じられた」と、規律を重んじた上での決断であったことを報じている。
 
 また、一連の流れを受けてイギリス外務省は、「チェルシーが中国に入国できなくなる可能性は低いが、今後は監視が厳しくなるだろう」との見解を示している。
 
 プレシーズン恒例となったビッグクラブのアジア遠征だが、今後、チェルシーがその遠征において中国を避けた行程を組む可能性は十分に考えられる。
 
 何気なくとった動画が大事に発展してしまったケネディ。コンテの指揮下では、これまで2度しかプレー機会を与えられていないが、はたして次のチャンスは巡ってくるのだろうか?