キャシー・ベイツ「失った胸は再建しない、これでいいの」

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映画『ミザリー』では小説にのめり込む女をまさに“怪演”、人気作家を恐怖のどん底に突き落とす恐ろしい役どころを見事に演じアカデミー主演女優賞を獲得したキャシー・ベイツ(69)。しかし2000年に入ると卵巣がんを患い、数年前には乳がんも患って両方の乳房を手術で切除した。

このほどキャシー・ベイツが『WebMD』に対し、がんを告知された頃を回顧。このように周囲の反応を振り返った。

「あれは2003年のことよ。卵巣がんになった時、エージェントにこう言われたの。『誰にも言わないように』って。」
「婦人科医もそうよ。彼女のご主人はこの業界で働いていたの。それで、こう言われたわ。『人には言わない方が良い。ハリウッドでは、まだ汚点のように思われてしまう病気だから』って。だから私も、(情報がもれないように)とても用心していたの。」

しかしキャシーは“ある人物”に出会い、自由に生きてもいいはずだと思いを改めたという。

「歌手のメリッサ・エスリッジよ。彼女のショーを観たわ。スキンヘッドでギターを演奏していたの。その姿を見て思ったわ。『彼女のようになりたい!』って。病気を隠すなんて、嫌だったの。」

メリッサ本人も乳がんを患い、化学療法を受けた結果髪が抜け落ちていた。それでも堂々としている姿はまぶしく、キャシーも「これで良い」と確信したという。その後キャシーは両乳房を切除したものの、再建手術は受けないことにしたそうだ。

「そう、私に乳房はないわ。なのに何故あるように見せないとダメなの? そんなの、大事なことじゃない。生きていられる。そこまで研究が進んだ時代に生まれたことに、ただ感謝しているわ。そう、生きているんだもの、すごく幸運だと思っているの。」

さすがに両乳房を失くすことは残念だったというが、「素晴らしい友人達が幸せにしてくれる」「私には明晰な頭脳があるし、趣味も多い」というキャシーは、生きる喜びをかみしめ感謝しながら毎日を過ごしている。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)