マルコはRIZAPグループとの連携によって成長スピードを加速させる計画だ。同社代表取締役社長の岩本眞二氏(写真)は、「広告展開や新商品・店舗の開発など戦略的分野に3年間で50億円以上を投資し、業績のV字回復から成長軌道に乗せたい」と成長戦略を描いている。

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 マルコ <9980> (東証2部)は、事業構造改革の進展によって17年3月期に3期ぶりに営業利益の黒字化を達成した。RIZAPグループとの連携によって成長スピードを加速させる計画だ。同社代表取締役社長の岩本眞二氏(写真)は、「ボディメイクとコンサルテーションでお客さまをサポートするビジネスモデルはRIZAPと似ている。今後、広告展開や新商品・店舗の開発など戦略的分野に3年間で50億円以上を投資し、業績のV字回復から成長軌道に乗せたい」と成長戦略を描いている。
 
――16年7月にRIZAPグループ入りしてから業績がV字回復している。
 
 RIZAPグループ入りする前は、売上高が毎期20億円程度減収となり、15年3月期から営業赤字に転落し、16年3月期は6億円の赤字を計上していた。業績低迷の一因は、売上拡大に重きを置いて原価管理ができていなかったことがあった。このため、不採算店舗の統廃合などコスト構造改革を徹底し、年間で8億15百万円のコストカットを行った。営業戦略も見直したことで、売上高は前期比0.6%減で右肩下がりから下げ止まった。今期以降は増収に転換し、収益の成長路線に転換したい。
 
 営業戦略面では、全国に約230の店舗から不採算店を統廃合し、215カ店にした。今後、店舗のリニューアル、および、新規出店などによって無店舗県への出店などを計画している。また、従来の口コミをベースにした「お友だち紹介モデル」から、マス広告を使った集客戦略に転換した。マス広告は、すでにRIZAPのCMと同じ制作チームに依頼してCMを作っている。前下期から地方を中心にCMを流し始めた。前第4四半期には1店舗あたり売上高の回復も確認できた。
 
――18年3月期の業績見通しは?
 
 売上高は11.9%増の150億円、営業利益は約8倍増の12億円を計画している。コスト構造改革が年間で寄与してくることから、売上総利益は前期66億円から、今期は80億円と21.5%増が見込まれる。
 
――今後の成長戦略は?
 
 マルコは、すべての女性に「永遠の輝く美と生き方」をトータルサポートするサービスを提供している。いわゆる補正下着について、お客さまのご希望に合わせてボディメイクし、下着の着用を継続していただくことで、体型を維持する。フィットネスなどダイエットのトレーニング等をすることなく、体型を補整し、維持したいと希望される方を対象にしている。
 
 お客さまは、20代と30代で合わせて約7割を占め、60歳以上のお客さまもいる。当然、年齢層によってお客さまが望むボディスタイルは異なる。20代で利用し始めたお客さまと60歳までお付き合いが続くこともある。お客さまとマンツーマンで向き合うボディスタイリストによるカウンセリング、フィッティング、そして、ご購入後のアフターケアによるトータルサポートによって、全国215カ店の直営店を運営してきた。
 
 今後の成長に向けて、前期からスタートしたコスト構造改革を継続し、原価率と販間費率の低減を一段と進め、成長への投資余力を確保する。今期は、原価と販間費を合わせたコストは売上高の92%程度にまで抑える計画だ。そして、成長分野への戦略的な投資資金を3か年で50億円以上確保し、広告戦略、新商品・関連事業の開発推進に力を入れる。
 
 広告によって新規顧客を拡大する一方、主力商品で機能性と着心地に磨きをかけた「Curvaceous」に加え、機能に特化した低価格商品「m-fit」の拡販を本格化する。また、RIZAPグループとのコラボ商品、化粧品や健康食品の開発など、新カテゴリー商品による増収もめざす。
 
 さらに、直営店1店舗(上海)の他、フランチャイズ5カ店を展開する中国では、パートナー企業との連携によるフランチャイズ店の拡大をめざす。中国以外の国・地域への展開も模索したいと考えている。