セルフレジは誰のため?本当に便利なの? 体験してみて分かったメリットと課題とは

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最近、日々のショッピングで、大きな変化が起きているのにお気づきだろうか
これまでの買い物では、店員が商品のバーコードを読み取り、会計をして、袋詰めは店員か客自身が行う、という流れだった。

しかし、これらの店員が行っていた商品のバーコード読み取りや会計などを、客自身が行うセルフレジが急増している。

果たして、このセルフレジ、客である私たちにとって、便利なサービスなのだろうか?
実際にセルフレジを体験してみたので使い勝手や問題点について紹介したい。

全てがフルオートのGUのセルフレジを体験
筆者が体験したのは、ファストファッション店「GU」に設置されたセルフレジである。
セルフレジ設置のGU店では、有人のレジは1つだけで、あとは複数のセルフレジがATMのように並んでいる。

セルフレジには長蛇の列ができていたが、予想していたよりも流れは早く、筆者の順番がまわってくるのも思ったよりも早かった。

レジのまわりには1人の店員がお立ち台に立って様子を監視している。セルフレジの操作で困っている人や間違った操作する人がいないか確認しているのだ。

さて、筆者の順番になった。筆者も初めてのセルフレジ体験なので、機械の前でどうすればいいのかしばし考えた。

レジのディスプレイを見ると、レジの下の箱にかごのまま商品を入れるように表示されていた。かごのままで大丈夫なのか? 若干不安に思いながらも、かごを入れて蓋を閉めた。

すると、セルフレジがものすごいスピードで読み取りを開始し、購入商品がリストで次々に表示された。これだけ迅速で正確に読み取れているのは、商品にICタグが内蔵されているためである。一般のバーコードを読み取るレジよりも、明らかに早い。
あとは、金額を確認し、現金かクレジットカードでセルフレジにて支払うだけで終了する。

会計終了後は、自分で袋詰めをする。
実は、これが一番時間をとってしまった。そもそも袋詰め用の服のたたみ方に慣れていなかったため、思った以上に手間取ってしまい、結局、適当にたたんでしまった。

衣料品の場合、この最後の袋詰めのハードルが一番高いのでは? と思った。

キレイに袋詰め用の畳んでくれるサービスがあれば意外と利用者はいるのかもしれない。
先日、衣類の全自動洗濯物たたみ機『ランドロイド』の予約が開始されていたが、いずれGUのようなセルフレジ店舗に設置されて欲しいものだ。

筆者のまわりを観察していると。やはり商品をどこに入れたらいいか悩みながら、かごから商品を出している人も見かけた。
セルフレジの画面に操作についての説明は表示されているのだが、いざセルフレジの前に立つと、なかなか落ち着いてスムーズには行えていないケースも多いようだ。
慣れてれしまえばGUのセルフレジは、とても簡単なのだが、それでも操作に悩む人は多いと思われる。

スーパーのセルフレジはセミセルフタイプが適している?
GUのセルフレジは、ICタグを利用して衣料品はスキャンも会計も全自動で処理するタイプだが、スーパーマーケットなどで見かけるセルフレジは、GUのタイプとは異なる。

スーパーマーケットのセルフレジは、客側で、バーコードの読み取りや画面のリストから商品を選んでタッチする操作もあるからだ。

これは、慣れないとかなり手間取ってしまう。

筆者は、スーパーのアルバイト経験もあるのだが、バーコードのスキャン操作は慣れるまでに結構な時間がかかったのを記憶している。
それが慣れていない一般の客なら、なおさら手間取るだろう。
また、スキャンしわすれたりするケースへの対応や接客から、スムーズに流れない場合もありそうだ。

そんな中、最近見かけることが増えてきたのが、バーコードのスキャン操作のみを店員が行うセミセルフレジである。

慣れた店員がスピーディかつ正確に商品をスキャンして、会計は機械で消費者自身が行うというスタイルだ。店員が直接対応する時間が短くなるので、レジの回転も早くなるというわけだ。

実は、お金を出して会計する際、人によっては時間がかかる人もいる。
できればじっくり財布の中身を見て小銭も使い切りたい、というのは主婦であれば、誰しも持っている心情だ。

このセミセルフレジは、そうした支払い方が自分のペースで行うことができるのだ。
セミセルフレジは、かなり理にかなっているのである。

会計は機械が行うため、入金確認やおつりの間違いも防げることも利点である。
これから、このセミセルフレジは増えてくるのではないだろうか。

Tポイント2倍のTSUTAYAも操作に慣れが必要
TSUTAYAの一部店舗でも、セルフレジを導入している。
・会員証をスキャン
・商品のバーコードをスキャン
・レンタル期間を指定する
これでレンタルすることができる。

これらの操作自体は、それほど難しくない。
しかし、支払後にレンタル商品の万引き防止タグを外さなければならない。
この操作を忘れると、店をでる際に警報が鳴ってしまうのだ。

実は、万引き防止タグを取るのには若干コツがいるため、ここが面倒なのである。
慣れれば楽しくなるという人もいるのかもしれないが・・・。

また、レンタルをする際の、
・レンタル期間の相談
・お得な割引サービスの案内
などはセルフレジでは無いので、有人での対面レンタルのほうが好きという人もいそうだ。

実は、TSUTAYAでセルフレジを使うメリットは1つある。
セルフレジを使うことで、Tポイントが2倍もらえるサービスをしていることだ。
ポイントを増やしたい人やセルフレジに抵抗のない人は、積極的に使ってみるのもいいだろう。

若者と年配の消費者で温度差のあるセルフレジ
セルフレジは、比較的に機械の操作に慣れた若い人であれば、適応するのも早いと思われる。
一方、年齢の高い人は、セルフレジの画面を確認するだけでも手間取ってしまう人も多く、有人レジを選んで並ぶ人もいる。

たとえば、病院の会計なども自動精算機が導入されているところが多いが、そこでも有人窓口に並んでいるのは高齢者が多い。やはり、対面での安心感があるためだろう。

セルフレジは操作に慣れてしまえば、とても簡単でスムーズに処理できる。
設置数と体験する機会が増えれば、使える人は確実に増えていくだろう。

しかし、そこに至るまでは、店員のサポートは必要不可欠だ。
普及と定着するまでは、サポート体制を整備する必要もある。

セルフレジにしたからといって人を減らすと、セルフレジ利用が増えず、客からはサービスが低下したという印象を持たれ、有人化に戻ってしまうだろう。
セルフレジは、客が便利に買い物できるための仕組みとして受け入れられ、店側の合理化に結びついて欲しいと思う。


執筆 ちえ