ミランが1日、守護神ジャンルイジ・ドンナルンマ（18）と会談し、契約延長に向けて新たに年俸400万ユーロ（約5億円）をオファーしたという。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じた。


下部組織出身のドンナルンマは2015年10月、GKとしては史上最年少となる16歳8カ月でセリエAデビュー。若さに似合わない冷静な振る舞いで一気にスターダムへとのし上がり、ミランへの愛情を隠さないこともあって、低迷するミランのサポーターの新たなアイドルとなった。

イタリアでは未成年の選手と最長3年までの契約しか結べないため、ミランとドンナルンマの現在の契約は2018年までとなっている。だが今年2月、ドンナルンマがイタリアで成人とみなされる18歳になったことで、ミランは最長5年の契約を新たに結ぼうと努めてきた。

中国資本への身売りが長引いたことで、契約延長交渉を進められなかったミランだが、4月にクラブ売却が完了。新経営陣もすぐにドンナルンマとの契約延長に動き出した。しかし、ズラタン・イブラヒモビッチやポール・ポグバをはじめとするビッグネームのマネジメントを担当する敏腕代理人ミーノ・ライオラは、ミランが選手にふさわしいクラブになるか見極めるための時間を求めている。

当然、イタリアのみならず、世界のサッカー界の将来を担えるとも期待されるドンナルンマだけに、ビッグクラブはその動向を注視している。ミランとの契約延長交渉が破談するようであれば、欧州のトップクラブがすぐに手を伸ばすだろう。マンチェスター・ユナイテッドやマンチェスター・シティ、レアル・マドリーといったメガクラブからの関心を伝える報道は後を絶たない。

それだけに、ミランも徐々に苛立ちを見せ始めている。残留か移籍か、ライオラではなくドンナルンマ本人が明確にすべきだと主張。マルコ・ファッソーネCEOの口からは、「待つことはできない」「プランBの検討も必要」と、“最後通告”とも取れる発言が飛び出した。

そんな中、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、ミランのマッシミリアーノ・ミラベッリSDが1日、モンテカルロでドンナルンマやライオラ代理人と交渉に臨んだという。ミランは当初の350万ユーロ（約4億4000万円）から400万ユーロにアップした年俸を提示したとのことだ。

契約を延長しなければ来季はドンナルンマを起用せず、事実上「干す」ことも厭わない姿勢と言われるミラン。低迷からの脱却を目指す中で、名門復活への「顔」となるドンナルンマを納得させ、慰留することはできるだろうか。