TBS「バース・デイ」(29日放送分)では、「元プロ野球選手のセカンドキャリア 男たちの新たな挑戦」として、元福岡ソフトバンクホークス・巽真悟氏の現在を伝えた。

近畿大学のエースとして活躍した巽氏は、2008年のドラフト会議でソフトバンクから1位指名を受ける。ダルビッシュ有や涌井秀章らと同じ世代で、将来のエース候補として期待された。

それでも一軍で目立った結果を残すことはできず、2016年10月に球団から戦力外を通告された。その後のトライアウトで圧巻のピッチングを披露し、ヤクルトが獲得に乗り出すという報道もあったが、実際にオファーは届かず、引退を決めた。

「学生の時は自分が離した瞬間に『ヨシッ』と思った球は打たれることはほとんどなかったです。(プロは)三振と思ったのがファールになったり、やっぱりすごいなって改めて感じた」
番組のカメラにこう語った巽氏は、トライアウトについても「僕のところにはどこからも何の連絡もなかったんです。やっぱり、改めてやりたくてできる仕事じゃないんだなと感じました」と語る。

それでも「トライアウトでいい結果が出たから逆に納得した。新しいことを経験したいなっていう自分がいた」という巽氏は、今年1月、人材派遣会社のエイジェックに正社員として採用された。

同社では、アスリートのセカンドキャリアの支援も行っており、巽氏は「クビになって現役を諦めて社会人になるといったところで、他のスポーツのアスリートの人達も同じような境遇の人が沢山いるんじゃないかと思って、そういう人の力になりたい」と、同社に入った理由を明かす。

現在は、福岡から東京へ引っ越し、10畳1K、家賃9万円のマンションで一人暮らし。通勤電車に乗れば、「新幹線以外の電車ってほとんど乗ったことがなかったです。こんなに満員なのかって思いました」と苦笑いを浮かべる巽氏だが、動き出した第2の人生については「元プロ野球選手ということで一人前に仕事をこなしている姿を見て頂いたり、他の企業の方に知って頂いたりすることで、僕の後に続く元アスリートの人達が増えればいいなと思います」と意気込んだ。