インドの旅客機で座席に不満な議員が大暴れ(出典:http://www.dailymail.co.uk)

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これはまさにインドのお国柄というほかないが、人々の人生が明るくなるも暗くなるもすべては性別、家柄、カースト、権力次第。自分が上位にあることを鼻にかける者はとにかく横柄である。このほどインドの旅客機で、ある議員による許し難い暴行事件が起きていたようだ。

英メディア『mirror.co.uk』ほかが伝えているところによれば、旅客機内で大暴れしたのは大学教授でもあるヴィンドラ・ガイクワド(Ravindra Gaikwad)というシヴ・セーナー党の議員。インドのプネーからデリーに向かうフライト時間2時間10分のエア・インディア852便に搭乗したガイクワドは、飛行機がデリーの空港に着陸するといきなり豹変した。

「私の座席はなぜビジネスクラスではなかったのか。エコノミークラスで旅をさせられるなど非常に不満だ。私はここから動かないぞ」と言ってガイクワドは駄々っ子のように居座った。しかしその旅客機にはそもそもファーストあるいはビジネスクラスなど設けられておらず、CAらがどうなだめてもガイクワドは納得しなかった。そのためエア・インディアの職員数名が同機に乗り込んで対応したところガイクワドは激高。靴を手に持つと、スクマールさんという男性職員を25回もそれで引っ叩いた。スクマールさんの眼鏡は壊れ、ゴア行きという同機の次のフライトにも遅延が生じてしまったという。

エア・インディアは警察に被害を訴え、ガイクワドのブラックリスト登録を検討した。ところが彼は逮捕に至っていないどころか、ブラックリスト登録も難航している。これについて強気の態度を示しているのはガイクワドの代理人。議員活動を行う上で飛行機での移動は当然の権利だとしている。議員はビジネスクラスへの搭乗こそがふさわしい、エア・インディアのつまらぬ訴えなど権力行使でどうにでも揉み消せるなどと、ガイクワド側はあくまでも強気の姿勢を見せている。

1966年設立のシヴ・セーナー党はインド西部を基盤に成長を遂げ、ムンバイの市政を担うまでの勢いとなった。しかしマラーティー語を話す住民が最優先と掲げ、イスラーム教徒や南インド出身者を排斥、攻撃するなど人種主義的な傾向が強い。この一件に関しては、「さすがは気性の荒いシヴ・セーナー党の議員だ」という意見が続出しているもようだ。

出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)