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説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Siriはパケットを多く消費するの?』という質問に答えます。

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音声アシスタントの「Siri」は、iPhoneが集音した人間の声をクラウドへ送信し、そこで分析した結果をもとにさまざまな処理を行います。音声データを扱いますから、それなりのデータ量を覚悟しなければならないところですが、調べてみると意外なほど少ないデータ量に驚かされます。

「あなたの名前は」や「今夜の天気は」といった短い質問を試したところ、『設定』→「モバイルデータ通信」→「システムサービス」に表示されるSiriが使用したデータ量は70キロバイトほどでした。同じ程度の長さの質問を1日10回実行するとして1日あたり700キロバイト、1カ月で約21メガバイトになる計算です。その10倍、つまり1日100回Siriに質問したとしてもせいぜい200メガバイトですから、通信費を気にするレベルでないことは確かです。

それに、Siriを利用するときモバイル回線を使うとはかぎりません。Siriクラウドと通信することで命令を実現しますから、インターネット接続は必須ですが、Wi-Fiアクセスポイントに接続しているときはパケット量を気にする必要はありませんから、通信費として認識される割合はさらに減ります。

Siriによりクラウドへ送信される音声データ形式は公表されていませんが、一説によると「Speex」というオープンなコーデックが採用されているとのことです。このコーデックは人の声に最適化されているためよぶんなデータ(人の声以外のデータ)を含まず、音声データの軽量化に貢献します。Siriの"軽さ"を支える要素ともいえるでしょう。

(海上忍)