テレビ朝日『奪い愛、冬』公式サイトより

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 今、テレビ朝日に異変が起きているのか。金曜23時15分から放送されているドラマ『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)が話題だ。ドロ沼愛憎劇を超えたB級ホラー感に、視聴者が「狂愛すぎて怖い」「バイオハザード、お化け屋敷的な怖さ」と騒然としている。

■水野真紀が狂演?クローゼットから「ここにいるよぉ!」

 23時台の放送ながら、平均視聴率は第1話が6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、第2話が5.1%と健闘している。

 第3話では池内光(倉科カナ・29)と婚約者の奥川康太(三浦翔平・28)が熱海に温泉旅行へ出かける。しかし光は元恋人の森山信(大谷亮平・36)のことが忘れられずにいた。とある日、信が妻の森山蘭(水野美紀・42)に連れられて、光と康太が働く古巣の会社を訪れる。

 見どころの一つは、信と光の元恋人同士がキスをするも、蘭に現場を押さえられるシーン。二人がキスを終えると「ここにいるよぉ!」と言いながらロッカーに隠れていた蘭が登場する。蘭はクマのぬいぐるみには隠しカメラを埋め込んでいたことを暴露し、光からキスするよう誘ったと決めつけ、「アンタが信のこと騙してるんでしょ!」と怒鳴る。信が「違う!」と否定すると「違わないよぉぉぉ!」と絶叫し、ステッキで床を何度もガンガン叩く。

 信が光をフォローすると蘭は「言わされてるんでしょ、このブスに!」と怒り出す。かと思いきや「あぁ足が痛くなってきた!(蘭は通り魔に右足を刺され、今もその痛みが消えないという設定)」と右足のマッサージを要求。呆然とする光の目の前でナマ足を出して信にマッサージさせ、さらに「私のこと愛してるんだったらここでキスして」と命令して強引にキス。それを見た光が泣きながら立ち去る間際に蘭が、「許したわけじゃないからね!」と呪いの言葉を吐く。

 水野の“狂演”に視聴者も騒然。「狂愛すぎて怖い」「気分悪くなる気持ちもわかるけど見たい気持ちが勝つ」「ドラマっていうより、バイオハザード、お化け屋敷的な怖さ」と戦々恐々だ。

 脇役も個性豊かだ。息子の康太を溺愛する奥川美佐(榊原郁恵・57)、イヤミな部長の武田玄(三宅弘城・49)などが登場する。

 また水野や三浦のホラー演技を筆頭に「どの登場人物も嫌なやつばっかりで面白すぎる」「リアルタイムはホラー、録画見はコメディとなる」「旦那が大爆笑してるところを久しぶりに見た」と話題に。ただし大谷や尾上礼香を演じるダレノガレ明美(26)は「棒演技」だと集中砲火を浴び、“B級役者”感が拭えない。

「それでも脚本や演出のクレイジーさで欠点をカバーしている。時代錯誤な人物たちやオーバーな演技にやや意見が分かれるところだが話題性は十分。テレ朝の深夜番組が最近狂気じみていて目が離せない。どんな企画会議をしているのか覗いてみたい」(民放関係者)

 2月10日に放送される第4話では、サスペンスドラマ定番の崖の上で女二人の思いがぶつかる模様。さらにゲスさがエスカレートしそうな気配の愛憎劇に注目だ。

文・安藤美琴(あんどう・みこと)※1974年東京都出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ガールズジャーナル』(セブン&アイ出版)、『パチンコ攻略の帝王』などに寄稿。現在は女性向け読み物系の記者・編集者として活躍中。