「おんな城主 直虎」NHK公式ホームページより

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 NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第4回が29日に放送され、平均視聴率は初回に次いで高い16.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。第4回の内容は一言で言ってしまうと、いよいよ剃髪して出家したとわ(新井美羽)が南渓和尚(小林薫)や鶴丸(小林颯)の助言で自分がなすべきことを悟り、修業に励んだというお話。ラストシーンでは節をつけて経を唱えながら歩く、9年後のとわ(柴咲コウ)の姿が映し出されました。

 今回も見どころはいろいろありましたが、とわの行動に大きな影響を及ぼした南渓和尚の大物ぶりがやはり一番でしょうか。とわを「ただならぬ子」と言い、「少なくとも蝶よ花よと育てるものではないと思った」と、過酷な未来を予想する南渓。「僧とは何ぞや」「毛のない者のこと?」「では、毛のないカエルは僧か!」との、とわとの禅問答も笑えました。猫を撫でてはお酒を飲んでいる、一見パッとしないお坊さんに見えても、やっぱり禅宗の僧侶。「今川は甘くないな……」とこぼす井伊直盛(杉本哲太)を、明日今川がなくなるかもしれないんだから、あまり先のことを考えてくよくよするなと励ます場面も、先回に続いてまた諸行無常を説いてる……と、ちょっぴりクスッとさせられました。

 腹が減ったのなら托鉢に行けば良いととわに教え、「作法も教えずに行かせたのですか?」と弟子に尋ねられると「あの子なりに答えを出せばよいのじゃ」と謎の余裕。竜宮小僧のように影で亀之丞(藤本哉汰)を支える僧になりたいと相談してきたとわには、「竜宮小僧になりたければ、竜宮小僧のように振る舞えばよいのではないか?」と大ヒントを授けます。とわの言動にいちいちおろおろしてしまう父・井伊直盛(杉本哲太)よりも、とわにとっての父性を感じさせる人物かもしれませんね。

 第1回からとわを熱演した子役・新井美羽の出番もこれで終わり。ラストとなった第4回は本当に頭を丸め、寺の修業がこんなにつらいとは思わなかったと勝手に家に帰ってきたり、腹が減ったからと畑からカブを盗んで丸かじりしたりとおでんばぶりを好演。和尚に禅問答され、そんなのわかるわけないじゃんといわんばかりの顔で「えーっ!!」と抗議したり、自分のなすべきことのヒントをもらって満面の笑みで「わかった!」と走り去ったり。

 考えが浅いところがある一方で、常に目の前のことにまっすぐに取り組み、周囲の人々の意見に素直に耳を傾ける子どもであることがよく伝わってきます。子役パートに賛辞を送る人が多い一方で、子役の掛け値なしにドラマの真価が問われるという意味で「次からが本番」と評する人も少なくないよう。「なるほど、子役パートを4回もやった意味があった」と思えるような展開を期待したいものです。

文・中島千代