究極の高音質な音楽プレイヤースマホ オンキヨー「GRANBEAT」が苦戦しそうな理由とは

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オンキヨーパイオニアイノベーションズが1月26日に兼ねてより開発を明らかにしていた高音質デジタルオーディオプレーヤーとして使えるSIMフリースマートフォン(スマホ)「GRANBEAT(型番:DP-CMX1)」を発表した。

発売時期は2017年2月末を予定し、販売チャネルのひとつである仮想移動体通信事業者(MVNO)の楽天モバイルでは価格が84,800円(税別)となかなか高価だ。

これまでにも音響面に力を入れたスマホはいくつかある。
直近では、国内販売されたZTEのSIMフリースマホ「AXON 7」と「AXON 7 mini」が旭化成エレクトロニクス製「AK4961」と「AK4490」Hi-Fi対応チップ2個やフロントデュアルステレオスピーカーを搭載している。

またau向けに販売されているLGエレクトロニクスの「isai Beat」やNTTドコモ向けに発売予定の「V20 PRO」もクアッドDAC搭載などを売りにしている。

これらと比べ、GRANBEATは完全にスマホとDAPを合体させたような製品で、操作性などもロータリー式ボリュームノブを搭載するなど、これまでのサウンド重視型スマホとは、一線を画すものとなっている。

また内部的にもスマホ用の基板とは別に、オンキヨーがオーディオ機器で培った専用基板を搭載し、さらにスマホ用基板からのノイズなどの電磁的な影響がないようにシールドも施されているのだ。

恐らくサウンドとカメラの違いはあるが、似たコンセプトとしては、
スマホとデジカメを合体させたパナソニックの「LUMIX DMC-CM1」や「LUMIX DMC-CM10」あたりがある。
DMC-CM1やDMC-CM10は、コアなユーザーから高い評価を得ることはできたが、販売面では好調とは言えなかった。

一方で、SIMフリースマホ市場で昨年夏に発売された「HUAWEI P9」を筆頭にした5万円以上の高価格帯の製品は、カメラの性能が評価されて人気となり売り上げを伸ばせている。

DMC-CM10などは販売数を伸ばせなかったのは
・市場ニーズ的に時期尚早だったのか
・スマホとして普通に使える製品が求められているのか
といった理由に起因するかは定かではないが、単にスマホにほかの機能を合体させても、必ずしもうまくいくものではないことは確かなようだ。

サウンド重視型の製品にとっては、もう1点、ハードルがある。
カメラはSNSが定番となった現在では写真を手軽に共有できることなどから、製品を自分で使わなくても綺麗な写真か撮れるかを判断できる。それに対し、音楽は実際にその製品で聞いてみないとわからないという点だ。

少し前にはデュアルステレオスピーカーやドルビーオーディオなど、音響面に力を入れていた「HTC J butterfly HTV31」を販売していたauからも"音の良さ"をユーザーに伝える難しさがあるという声は聞いている。

もちろん、音の良さにこだわりがある人には間違いなくGRANBEATは響く製品であり、店頭などでタッチ&トライできれば、実際に試したユーザーが納得し購入してもらえるだろう。

しかし、そういった人がどれくらいいるかというのが問題だ。

そもそも高音質な音楽プレイヤーを利用する人が多くはない上に、さらに、それらの層の一部にしかアピールできない、伝えきれないような気がしてならない。

個人的にはDMC-CM10なども含め、専用機との合体は、スマホにおける進化の一端だと思われるので期待したいところだが、ユーザーへの認知など、結果はどうなるか。今後の販売状況も注視していきたいところだ。

●GRANBEAT DP-CMX1の主な仕様
画面   :5.0インチHD IPS液晶
大きさ  :142.3×72×11.9ミリ
重さ   :234グラム
本体色  :ブラック
SoC   :Qualcomm製「Snapdragon 650(MSM8956)」(1.8GHz CPU×2コア+1.2GHz CPU×4コア、GPU「Adreno 510」)
メモリー :3GB
ストレージ:128GB、microSDXCカード
バッテリー:4100mAh(取外不可)
カメラ  :背面約1600万画素、前面約800万画素
通信   :Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.1
位置情報 :GPS・GLONASS
センサー :加速度、ジャイロ、近接、照度、電子コンパス
端子   :イヤホン端子(2.5mm×1、3.5mm×1)、microUSB端子
その他  :DSDS対応(nanoSIM×2)
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