「美容」だけじゃない! ホルモンバランスが心身に与える影響とは

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美容や健康の話題でよく耳にする「ホルモンバランス」という言葉。

アンチエイジングや健康のためには、どうやらこの「ホルモンバランス」が大事らしい、ということは多くの人が知っているはずだが、なぜ大事なのか、というところまであなたは理解しているだろうか。

■ホルモンと「老い」の関係

『がんばらなくても20歳若返るナチュラルホルモン療法』(藤森徹也著、講談社エディトリアル刊)によれば、人間の身体の中には数十種類のホルモンが存在する。それらのホルモンは体内のあらゆる場所で働き、体温・生殖・成長・老化・免疫システムなどに対して重要な役割を果たすという。

また、体内の代謝スピードを調整する甲状腺ホルモン、糖質代謝をコントロールするインスリンなど、代謝に重要な役割を果たすものも多い。他にも、様々な臓器から様々な種類のホルモンが分泌され、お互いに影響を及ぼし合っている。

しかし、ホルモンの多くは20歳前後をピークに減少の一途をたどる。40代〜50代になると、20代の頃の半分以下の分泌量になることもあり、それに伴って「更年期障害」や「ED」といった、「老い」を感じる不具合が身体のあちこちにあらわれる。

その意味で、「老い」とは「ホルモン不足」によって起こるともいえるのだ。

■「老い」に待ったをかけるナチュラルホルモン療法

では、ホルモン量の減少を食い止め、「老い」に待ったをかけることはできないのか。本書のなかで藤森さんは「ナチュラルホルモン補充療法」の可能性を訴えている。

ナチュラルホルモン療法とは、人間の身体にもともと存在するホルモンと化学的に同じホルモンを、専門家の管理のもと、外から補充し、ホルモンバランスを整えるというもの。不足しているホルモンを補うことにより、老化を食い止めようというものだ。

ちなみに藤森さん自身、30代後半のころに男性更年期障害となった。元気がなくなり、その頃海外出張も多い生活だったのだが時差ボケがなかなか直らない、さらに太りやすくなった…と不調に見舞われたが、ナチュラルホルモン療法を取り入れたことで症状が改善された経験を持つ。今では日々の診療以外に、欧米の学会にも積極的に参加したり、トライアスロンを完走するまでになっている。

■意外に広範囲 ホルモン不足によって起きる症状

ところで、ホルモン不足に陥ると、具体的にどのような不具合が生じるのか。冒頭であげたもの以外にも、いくつか例をあげよう。

食べる量は増えていないのに半年で3kg以上増えているなら、甲状腺ホルモンをはじめ、代謝系のホルモン分泌量が不足している可能性がある。

また、40〜50代の女性がやたらイライラして周りに当たり散らしてしまうのであれば、それは加齢とともに、心を落ち着かせるための「プロゲステロン」というホルモンの分泌量が減っていることが考えられるという。

例えば、以下の症状で当てはまることがあったら、性ホルモンの減少が疑われる。
・初対面の人の顔や名前を覚えにくくなる
・観たばかりの映画の内容は思い出せないが、それを観て感じた自分の感情は覚えている
・意図したことと似ているが別の行動をしてしまう
 (シャンプーを冷蔵庫に入れてしまったりするなど)

「ホルモン」といわれて美容関連の話題を思い起こす女性は少なくないだろう。だが、上記の例からも分かるように、分泌されるべきホルモンが正しく分泌されているかどうかは、日常生活のあらゆる部分に影響を及ぼす大問題といえる。

いつまでも健康に、そして若々しくありたい人にとって、本書はそのためのヒントとなるのではないか。
(新刊JP編集部)

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