ジャニーズとNHKの「癒着体質」に厳しい視線

写真拡大

 大晦日のNHK『紅白歌合戦』の司会が決定し、白組は嵐の相葉雅紀(33)、紅組は女優の有村架純(23)と発表された。相葉雅紀は昨年の白組司会を務めたV6の井ノ原快彦(40)から同じジャニーズ事務所所属としてバトンタッチする格好になるが、一部で「2020年までの5年間は嵐のメンバーが交代で司会を務めることが内定」との報道が噴出し、NHKの「ジャニーズ頼み」に批判が巻き起こっている。

■2020年まで嵐が交代で司会?驚きの密約報道

 嵐は2010年から2014年の5年間、5人で白組司会を務めていた。昨年はNHK『あさイチ』が好評な井ノ原に司会が移ったが、1年置いて今度は相葉が一人で司会となる。井ノ原がたった1年で交代、嵐が一人で司会するにしてもなぜ相葉なのか……といった疑問点があり、どこか不自然さが感じられる。

 これについて『東京スポーツ』が内幕を報道。同紙によると、当初ジャニーズ事務所は「1年で交代すると昨年が失敗だったと思われる」という理由で今年も井ノ原を本命に押していたが、NHK側は嵐の司会を要望。だが、事務所側は1年置いて嵐が司会復帰という選択肢に難色を示し、NHK『グッと!スポーツ』に出演している相葉の単独司会で合意したという。

 さらに同紙はジャニーズ事務所が「今後5年間、所属タレントに『紅白』の司会をさせる」という要望をNHKに出していると報じ、その要求をNHKが呑んだ結果が相葉の司会起用だったとしている。今後は嵐のメンバーが2020年までの5年間、交代で司会を務めることになり、事務所サイドの「東京五輪に向けて嵐を“日本芸能界の顔”にする」という計画が実現することになるという。

 ジャニーズ事務所は2006年に『紅白』初司会を務めたSMAP・中居正広(44)から11年連続で司会枠を獲得しており、さらにNHKが事務所の言いなりで5年間も枠を継続させるとなれば「癒着」といわれても仕方ないくらいだ。

■世間から批判殺到も…変わらないNHKとジャニーズの「癒着体質」

 これにネット上では「ジャニーズなしでやれないのか」「NHKの中立性は完全に死んでる」「もうジャニーズだけで紅白やれよ」などと批判が殺到している。

「NHKの籾井勝人会長(73)は年内での解散が決まっているSMAPの出演を熱望し、一時は『SMAP5人で司会してほしい』と無理難題を言い出したこともあった。しかし、ジャニーズ事務所にとってSMAPは『終わった』グループでしかない。SMAPを出演させる選択肢は今のところなく、嵐を柱にしていくことをNHK側に説明し、今後さらに局に貢献していく代わりに嵐メンバーの司会枠を取り付けたようです」(芸能関係者)

 かなりジャニーズ側に有利な要求だが、希望していたSMAP出場が絶望的というのにNHKはなぜ「癒着」と揶揄されてまでジャニーズ頼みを続けるのか。

「すでに世間のジャニーズ離れがさけばれて久しいですが、NHKは考え方が古いこともあって『ジャニーズを出せば視聴率が稼げる』という信仰をいまだに持っている高齢幹部が多い。また、ジャニーズ事務所は局幹部やスタッフなどにコンサート取材時の高級ホテルへの招待や高級ブランドのお土産を用意するなど“過剰接待”が囁かれており、各局との癒着ぶりはよく知られている。NHKも交渉においてジャニーズ事務所に強気に出ることができず、言いなりになってしまっている」(前出・関係者)

 本来なら擁護するはずの嵐ファンからも「さすがにやり過ぎ」「事務所のゴリ押しで相葉くんが批判されるの可哀想」「紅白よりもファンのためにカウコン(ジャニーズカウントダウンライブ)を大事にしてほしい」などと苦言を呈される始末だ。紅白歌合戦の癒着ぶりに多くの批判が集まりそうだ。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。