「新垣結衣 写真集 まっしろ」より

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 三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの『日本レコード大賞』1億円買収疑惑を週刊文春が報じたものの、いまだに日本作曲家協会やTBSなど主催サイドが調査に乗り出したという正式発表はない。視聴者が不信感を高めたままレコード大賞の開催および全国放送を強行しそうな気配が漂い始めている。

■レコ大、大ブーイングでも強行放送?

 EXILEや三代目JSBが所属するLDHが芸能事務所バーニングプロダクションへ1億800万円支払って大賞を勝ち取ったとされる中、11月10日に、『日刊ゲンダイ』が「審査委員が顔を揃える会議が開かれた」と報道した。同紙はガチンコの激戦になる可能性を示唆している。

 また一部メディアの取材に対してTBSは、今年の開催に関して「無回答」と回答。沈黙を貫き、公式サイトも昨年の状態のまま。それでも年末まで刻一刻と迫っている。

「大前提として、日本作曲家協会やTBSが1億円買収報道の調査をした有無さえ分からない。バーニングが使用する書式や社印と一致した領収書まで飛び出しているのだから、通俗的に言えば、すぐ調査して、しかるべき対応を取るべき。もし調査すらしないままレコ大を強行するというなら、視聴者をバカにするにも程がある」(報道関係者)

 レコード大賞は、12月中旬には総合司会やアーティストを呼んで記者会見を開くのが通例となっている。はたして今回はどんなラインアップとなるのか。それとも何か動きがあるのだろうか。

『週刊文春』の取材に対してTBSは、1億円買収への関与を否定していた。ただしTBSがレコード大賞は「やる理由がある」(芸能関係者)とする見方もある。

「率先してレコ大を中止すれば、バーニングの買収関与を認めるようなもの。図らずも“芸能界のドン”と恐れられる周防郁雄社長(75)への背信行為。反旗をひるがえすような行動は難しいのでは」(前出・芸能関係者)

 テレビ局がバーニングに逆らえない理由は、挙げればキリがない。

「TBSの場合は例えば、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が現在絶好調で、視聴率はウナギ登り。火曜ドラマ枠の歴代最高の数字を記録している。視聴者の反応もすこぶる良い。だが主演の新垣結衣(28)が、バーニング傘下のレプロエンタテインメントに所属している。レコ大で事を荒立てればドラマの制作にも影響しかねません。まるで新垣が人質状態になっているかのようです」(前同)

 果たしてドラマが絶好調のガッキー起用で、レコ大の信頼回復に繋がるのか。芸能界の安易な倫理観には失笑を禁じ得ない。

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。