歴史問題や領土をめぐる対立によって、中国には日本に対して複雑な感情を抱いている人が少なからず存在する。だが、複雑な感情を抱いた中国人でも日本旅行を経験すると「対日感情」がすっかり変わってしまうという事例もある。(イメージ写真提供:123RF)

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 歴史問題や領土をめぐる対立によって、中国には日本に対して複雑な感情を抱いている人が少なからず存在する。だが、複雑な感情を抱いた中国人でも日本旅行を経験すると「対日感情」がすっかり変わってしまうという事例もある。

 中国メディアの今日頭条は4日、日本を旅行で訪れた中国人の手記を掲載し、「最初は日本旅行を拒絶していた両親も、いざ日本を訪れてみるとたった6日間で日本好きになった」と伝えている。

 記事は、妊娠をきっかけに休職し、「出産後はしばらく旅行できないため」との思いで日本を訪れた中国人女性の旅行記を掲載。同女性が妊娠中だったことから、女性の両親が「万が一に備えて」、女性の訪日旅行に同行したというが、もともと女性の両親は抗日映画の影響なのか、「日本人は乱暴」だと思っており、「日本が嫌い」だったのだという。

 両親が自分の友人たちに「日本旅行に行くことになった」と伝えると、両親の友人たちのなかには「日本に旅行に行くことは国を売ること」だと批判する人もおり、両親も危うく日本旅行をキャンセルしそうになったと伝えた。

 だが、いざ日本を訪れてみると、地下鉄などの公共交通機関は秩序があり、トイレは清潔で、商業施設などのセルフ形式の食堂では「食べ終えた日本人は皆きれいに自分が座っていたテーブルを片付けていた」など、中国とは異なる光景に中国人女性の両親は大きな衝撃を受けた様子。

 また記事は、日本滞在中に接した日本人は、誰もが「非常に親切だった」とし、道を尋ねた時には「目的地が口でうまく説明できなかったようで、直接目的地まで連れて行ってくれた」と感激したようだ。さらに、日本では飲食店や小売店の軒先に商品を積み置きして放置してある光景を何度も見かけたとし、「誰も商品を盗み去らないのは、それだけ治安が良い証拠」だと指摘した。

 「日本人は乱暴」だと誤解し、「日本が嫌い」だった女性の両親は、日本に滞在したわずか6日間の間に、すっかり誤解が解けたうえに「日本がすっかり大好き」になってしまったという。日本を訪れる中国人が年々増加しているとは言え、女性の両親のような中国人はまだ少なからず存在するだろう。その一方で、日本旅行を経験した中国人が、「真実の日本」をネット上で紹介しているのも事実であり、けっして芳しくなかった対日感情が日本旅行をきっかけに一変したという中国人も増えているであろうことがうかがえる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)