ママたちの“お店選び”の苦労が浮き彫りに…カフェで「子どもの泣き声NG」問題

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乳幼児とのお出かけ中、レストランやカフェでランチしたり休憩したり…。よくある場面ですよね。

人気ブログで大論争、「子どもの泣き声NG」なカフェはアリ? それともナシ?

小さい子どもは疲れやすく、こまめな水分補給も必要。パパやママも子ども連れだと荷物も大きく、重くなりがち。「どこかのお店に入って少し休もう」という気持ちになることもしばしばです。

乳幼児ウェルカムなファミリーレストランなどがあれば安心ですが、いつも見つかるとは限りません。

そんなとき、やっと見つけて入ったカフェで子どもがぐずり出したとたん「うちの店は子どもの泣き声NGです」と退店を促されたら、どう思いますか?

以前に「人気ブログで大論争、『子どもの泣き声NG』なカフェはアリ?それともナシ?」の記事で取り上げたこの問題について、独自にママ・パパへのアンケートを実施。

その結果をもとに、子連れのカフェ利用マナーについて考えてみたいと思います。

きっかけは、たった1件のツイート

論争のきっかけは、宮田レイシープさんの人気ブログ『さようなら、憂鬱な木曜日』に掲載された「子供の泣き声NGなカフェの対応について」というエントリー。その中で宮田さんは、あるツイートを取り上げて問題提起をしています。

そのツイートは、あるユーザーの体験がつぶやかれたもの。

子連れでのカフェ利用時、「店の雰囲気を見て入店したつもりだった」が、子どもがぐずり出すと「即刻退店させられた」という、パパやママにとってショッキングな内容がつづられています。

前回記事では、このツイートをめぐり宮田さんのコメントも紹介。

店側は子どもの泣き声は困ると入店前に一言断りを入れるべきであり、同時に親側も「子連れがOKか」を店に確認する必要があるのでは、と提起しました。

この一連の話題について、ネットでは「店側に賛成」「子連れNGの店があってもいいと思う」など店の対応を擁護する意見、「こういう店があってもよいと思うが、その場合は事前の確認が必須」など条件付きで店側の対応を評価する意見が多く見られました。

では、アンケート結果を見てみましょう。

「子どもの泣き声NG」に対する反応

まずは、店員に「うちの店は子どもの泣き声はNGです」と退店を促された、という出来事についての率直な感想から。

当事者であるママたちの意見も、「ほかのお客さんもいるし、当然の対応だと思う」が53.81%で過半数を占めました。

「納得はできないが、店の事情はある程度理解できる」32.43%も含めると、じつに8割以上が店の対応に理解を示す結果になりました。

「こちらも利用客なのに、この対応は間違っている」と反発する意見はわずか1割。
カフェでの休憩中であっても、周囲に迷惑をかけてはいけないと気を遣うママたちの姿が浮かびます。

この結果には、カフェという場所の持つ特性もあるでしょう。

ファミリーレストランやコーヒーショップに比べて、「カフェ」という言葉には比較的「くつろぎ」や「やすらぎ」といった店内の雰囲気も併せて提供するイメージがあります。

発端となったツイッターの「店の雰囲気を見て入店したつもりだった」という表現からも、その店が雰囲気を大切にする店か見極めたつもりだった、というニュアンスが読み取れます。

3割は「ぐずり始めたら」が退店目安

では、ママたちが「仕方ない。店を出よう」と思える子どもの泣き声ラインはどの程度でしょうか。

もっとも多かった回答は、過半数を占めた「『ギャ〜』と本格的に泣き始めたら」(56.68%)。

そして注目すべきは「泣いてはいないが、ぐずり始めたら」が33.42%と、3割を超えていること。

そもそも、ベビーやキッズ歓迎のお店が必要な時に常に見つかるわけではない中でのお店選び。

「ここは大丈夫そう」と思って入っても、なるべくほかのお客さんに迷惑がかからないよう、3人に1人のママは、子どもが本格的に泣き出す前に退店する、と考えているようです。

さらに、乳幼児はたとえ機嫌がよくも大人と同じように声のトーンを調節することはできません。

おしゃべりの声や笑い声、ママに飲み物をねだったり「もう帰ろ〜!」と声を張り上げたり。抱き上げたり一時的に店外を歩いたりすることで落ち着けばいいのですが、なかなかそうもいきません。

子どもの年齢や発達状況にもよりますが、ほぼ常に「どの段階に達したら店を出るべきか」という葛藤がママたちの胸の内で展開しているのです。

少しでもゆっくりするためには?

とはいえ、せっかく「一息つこう」と思って入ったお店。子どもがぐずりだしたからとすぐ店を出ていては休めないばかりか、ママの心もお財布も悲しい思いをすることに。

そこで、ママたちは色々な工夫をしています。

子どもが1歳以上であれば好きなおもちゃや本を持ち歩いて渡したり、店のメニューに子どもの好きそうなジュースやポテトフライなどがあれば注文したり。

おすすめは、作業系の時間つぶしグッズを持ち歩くこと。

シールブックやノート・色鉛筆など、子どもが手を動かして遊べるグッズをバッグに忍ばせておけば、数分から10分程度は間を持たせることができます。これらのグッズは、かさばらないのも魅力です。

わが子の興味と持ち運びの負担のバランスも見ながら、「これがあれば少しの時間なら大丈夫」という安心感も一緒に持ち歩きたいですね。

ネットのクチコミは意外と不人気!

最後に、子連れOKかどうか不明な場合の「店選びのポイント」を聞いてみました。

最も多かったのは「子ども連れの利用客がいるか、など利用している客層」46.21%。次いで「子どもが食べられるメニューがある、持ち込みができるなど商品・サービス内容」34.34%でした。

子ども連れの先客がいるかどうかは、非常に大きな判断材料。ほかに、一人客やパソコンなどで仕事中のビジネスマンが多い場合や、一歩入ってみて利用客のおしゃべりの声があまり聞こえない場合は避けた方がよいと判断できます。

キッズメニューや子ども用イスがあるかどうかも確認したいポイント。

「ネット等での子連れ客のクチコミ」は7.83%と伸び悩み気味。クチコミ情報は都市部の店舗や有名店に偏りがちなこと、主観的なものも少なくないことが影響しているのでしょう。

本来、お店選びでトップに来るべき「価格と味」はわずか1.01%。

キッズのお出かけではひたすら「子ども連れで利用できるかどうか」「周囲が子どもを受け入れてくれるかどうか」が2大判断基準になっている現状が読み取れます。

トラブルは、ママもお店にとってもイヤなもの。

回避のためには、やはり入店時に店側から口頭や張り紙などで「お子さんの泣き声、騒ぎ声はご遠慮ください」と明示したり、親側も「子ども連れで入店してよいか」と確認するのが有効であることは、間違いなさそう。

せっかくのキッズとのお出かけ。店側とのコミュニケーション、対策グッズを用意するなどのひと手間で、楽しい一日にしたいものです。