その生理痛、重病の兆候かも!? 痛みで分かるチェックリスト
煩わしい蒸れに、情緒の波、そしてニキビ……。毎月、生理がくるたびにうんざりしている女性もいるのではないでしょうか。これだけでも十分ですが、追い打ちをかけるようにやってくるお腹のズキズキが決定的に嫌だという人も多いはず。
「女性ならば仕方がない」そう思っている方も多いかもしれませんが、実は放っておいてはいけない痛みがあるのをご存知でしょうか。
そこで今回は、薬剤師の筆者が、病院へ行くべきか判断するポイントをお伝えします。他人と比べることができない生理痛。ぜひチェックしてください。
■心配のいらない生理痛の痛みは?
自分の生理痛を思い出し、それがどのような痛みなのかを下記項目で確認してみてください。
・何年も変わらない程度の痛み
・痛い場所が決まっている痛み
・思春期と比べ、落ち着いた痛み
・しこりのない痛み
・生理1日目から2日目ほどの痛み
上記のような痛みならば、多くの妊娠適齢期の女性が経験する痛みなので比較的安心です。
■トラブルに繋がりそうな生理痛の痛みは?
重めの生理痛だと思ってたら、実は違う症状の痛みだったというケースもありえます。下記項目を確認してみてください。
・年々悪化する痛み
・排便痛を伴う痛み
・ひどい性交痛を感じる痛み
・ひどい吐き気を伴う痛み
・血の塊を多く伴う痛み
・生理のたびに貧血でクラクラになってしまう痛み
・しこりのある痛み
上記のような症状がある場合は、一度婦人科の検診を受けることをオススメします。子宮内膜症、子宮筋腫などの可能性が出てくることも。しかし、必ずしも薬が必要、手術が必要といったことはありません。
軽ければ経過観察やピル、鉄剤の使用ですむことがあります。悪化が進んでいる場合は、異常が出ている部分を手術で取り除くことを勧められることもありますが、手術後しばらくは避妊が必要になるので、決断するならば早めがいいでしょう。
■痛くても妊娠はできる?
先ほど紹介した子宮内膜症や子宮筋腫の影響で生理痛がひどくても、無事に妊娠・出産されている方は多くいらっしゃいます。また、なるべく若く妊娠・出産した方が病気のリスクも低くすみます。
ただし、卵巣の中に生理の血がたまってしまうのはよくありません。それから、子宮筋腫のコブが、受精の場所を大きく陣取っていても妊娠しづらくなります。エコーをとってみると分かりますので、心配な場合は婦人科で診てもらいましょう。
■まるで痛くないのは大丈夫?
基礎体温が二層になっており、周期も安定し、排卵検査薬が陽性になるようでしたら、大きな問題は無いと考えられます。
血流がよく、血管が健康な方はあまり痛みを感じないことがあります。ただし、周期も乱れ、基礎体温も二層にならない場合は、女性ホルモンが乱れており正常な痛みを感じていない場合がありますので、そのような方は婦人科へ行きましょう。
いかがでしたか? 生理痛にもいろいろな痛みがあるので、常に自分の状態を把握しておくことは大切です。もし、心配がぬぐえない場合は、ぜひ検診を受けてみてください。かかりつけの婦人科を決め、できれば半年か一年に一度は診ていただくのがオススメです。
【筆者略歴】
※ 二宮 麗・・・漢方薬・生薬認定薬剤師、漢方スタイリスト。東京、名古屋の漢方薬専門薬局にて薬剤師、講師として勤務した経験をもとに天然の薬草をご紹介。現在は漢方薬を中心としたライターとして活躍中。
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