「HUNTER×HUNTER」ルックス重視のカチョウがセンリツを雇った理由

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「私達だって2人きりで話したいわよねー」
「ねー!!」
冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』。今週の週刊少年ジャンプも暗黒大陸へ向かうB.W号船内。カキン帝国第10王子カチョウと第11王子フウゲツの睦まじい様子が描かれていた(女性も王子扱い)。2人はセイコを母に持つ姉妹である。
同帝国、全14人の後継ぎ候補で王位継承戦という名の殺し合いが始まった。

ユニークなルックスの人が好みのカチョウ


2人の初出は単行本33巻172ページ。フウゲツは生け花にいそしみ、カチョウはヒカリモノにウットリしていた。
クラピカによるとカチョウは護衛をルックスで選定するとのこと。が、採用したのはセンリツだった。センリツは前歯が出ていて、落ち武者カットの女性。
自分よりルックスが劣る女友達を呼んで合コンに参加する女性、ひょっとしてカチョウはそういうタイプの人なのかな、と思ったのだが、そうでもなさそう。カチョウの身の回りの男護衛もユニークすぎるルックスをしていたのである。


カーちんは悪人なのか


「カーちんあの…あたしね今回の継承戦……」
(気安く呼ぶんじゃねーよバカが!! よく聞きな 二人で協力して他の王子(連中)殺ってくよ!!)
(上手く2人だけが残ったらあたしから王(パパ)にお前が死なずにすむ様頼んであげる 護衛に共闘するよう話つけとけ)
(わかったか!? 笑えよボケ!! カメラに映ってんだよ!!)

姉妹がしているコソコソ話。フウゲツは王位継承戦を回避する形に持ち込みたい様子。カチョウはその他12名の王子を殺して2人で生き残ろうと持ち掛けているのだが。
(このコ…自分を偽ってる…!?)
センリツはカチョウの振る舞いに欺瞞を感じていた(センリツは周囲の人間の心臓の音を聞き取り、相手の心理状態や性格を読み取ることができる)。
本当はもっといいやつなのか、あるいはもっとドス黒い性格の持ち主なのか。
カチョウとフウゲツ、二人の名前を組み合わせれば四字熟語が出来上がる。花鳥風月。美しい自然そのもの、あるいはそれを重んじようとする風流のこと。
センリツはいい奴だ。復讐に気を取られて周囲に不注意なクラピカを諫めたり、悪ぶった態度をとるレオリオの本質を見抜いている。カチョウの隣にいたブサイクな男3人の護衛もきっと心優しい人だと思う。だからカチョウも妹思いのいい人なんじゃないかと信じたい。

ただ、「パパにフウゲツが死なないように頼んであげる」という一節がどうにも甘ったるい。
国王は「脆く弱き器は王になれない」と考えていることから王位継承戦に関して消極的な姿勢は持っていない。カチョウは王の考えをどこまで理解しているのか。
(山川悠)