普通自動車免許で運転できる原動機付き自転車(原付バイク)は、排気量50cc以下のバイクが該当しますが、出力電動バイクは0ccというわけで、定格出力0.6kW以下なら原付バイクに分類できます。保安部品を備えた原付バイクとして登録して公道を走れるだけでなく、折りたためば自動車のトランクにも積み込めるというコンパクトな電動バイク「ScootMan(スクートマン)」が、バージョン4となって登場したとのことので、さっそく試乗してみました。

ScootMan Foldable Telecom Escooterスクートマン | ANYYOUON LLC.

http://www.scootman.bike/



◆外観を徹底的にチェック

これが折りたたみ式の電動スクーター「ScootMan」。原動機付自転車に分類されるので、普通自動車免許で走行できます。バッテリー容量を増やすなどの改良が施されたバージョン4(V4)で、2016年6月に発売されたばかりのニューモデルです。



かなり細身のフレーム。



サイズは、1170mm×980mm×580mmで、重さは約20kg。前後の重量配分が良いため、片手で持ち上げる事さえ可能です。





スタイリッシュなデザインで、丸いライトが特徴的です。





なお、このLEDライトは走行時は常時点灯します。





中央に液晶メーターがあり、ミラーは標準では右側に一つ装備。



右側がスロットルレバー。握りやすいように扁平しています。



ブレーキレバー



左のハンドルの右には「ON/OFF」と表示のあるハザードスイッチ。スイッチONでウィンカーをハザード状態に点滅可能です。



左のハンドル下にはウィンカースイッチと黄色のホーンボタン。



左にもブレーキレバー。なお、左レバーにもオプションでミラーを取り付けためのねじ穴が開けられています。



中央の大きな液晶ディスプレイは……



電源ONで点灯します。



時速の他、トリップメーターや4つのモード、バッテリー残量や外気温を表示可能です。また、液晶ディスプレイ下のボタンは、出力を一定に保つためのクルーズコントロールボタンと各種設定ボタンになっています。



ディスプレイの下にあるキャップを外すと……



USBポート。スマートフォンなどを充電できます。



将来的にBluetooth接続のスピーカーを取り付けるためのスリットが開けられていました。



可動部分に「SCOOT Man」の文字。



容量10400mAhのバッテリーは本体のフレーム内に搭載されています。工具を使ってカバーを外すことでバッテリーは簡単に交換可能です。



フレーム上部に電源ボタン。



フレームの下にあるキャップは……



充電用のコネクタ。充電はACアダプターで行い、5時間のフル充電で約35キロメートルの距離を走行できます。



白色のシート。なお、色違いのシートもオプションで用意される予定とのこと。



ハンドルの先端にはウィンカーを搭載しています。



リアにもブレーキランプとウィンカー。



ナンバーを照らすLEDライトも搭載しています。



フロントとリアに泥よけを装備。



ただし、雨天時の走行はサポートされていません。



フロントには倒立のショックを搭載。サスペンションはフロントのみです。



ブレーキは前後ともにディスクブレーキ。



定格出力240WのブラシレスDCモーター採用で、後輪駆動になっています。



キャリパー上部からブレーキパッドを交換できます。



ブレーキディスクには冷却用の穴。



停車用に、スタンドは左側にあります。



ステップはななめ上向き。



◆走行してみた

ScootManのライディングポジションはこんな感じ。



細身のフレームですが、剛性感は高く、不安な感じは一切なし。シートは体重120キログラムの人まで対応可能です。



アクセルスロットルをひねるだけで進むのはスクーターと同じ。





ScootManはスマートキーを採用。一番下の「ロック解除」ボタンを押すと電子音が鳴りロックが解除され、左のボタンを連続して2回押すと走行可能状態になります。



というわけで、さっそくScootManで東京ビッグサイト周辺を走行してみました。

折りたたんで持ち運び可能な電動スクーター「ScootMan」で静かにかつ軽快に走行してみた - YouTube

ScootManはモーターのトルクもなかなか力強く、アクセルONでスルスルと走り出します。体重60キログラム程度の人ならフルスロットルで制限速度の30km/hをオーバーするほどですが、上り坂では思った以上に速度ダウンします。

ガソリンエンジンのスクーターとは比べものにならない静かさと独特のフォルムに、さっそうと走行していると歩道を行く人の注目を集めることは間違いなし。コンパクトな車体のめずらしさのせいか、後方からの自動車にあおられるということもありませんでした。



◆折りたたんでみる

原付バイクとしての走行性能もさることながら、ScootManの最大の特長は折りたたんで持ち運び可能な点。ということで、折りたたんでみました。

まずはステップをたたみます。



次に、車体右側のロックレバーを解除。



ナンバープレートをシートの下に折りたたみます。



シート後方をつかんで





シートをぐいっと上に引き上げます。



次に、フロントタイヤを車体後方に引き寄せるようにしつつ、シート部分を押し下げると……



折りたためました。コツさえつかめば、ササっと折りたためます。



折りたたんだ状態では、両手で楽々と持ち上げられます。



横から見るとこんな感じ。



折りたたんだ状態ではタイヤはほとんど抵抗なく回転します。



そのため、キャリーケースのように引っ張るもよし。



両手で押していくもよし。簡単に運ぶ事ができます。



また、左ハンドルのロックを解除して……



折りたたむと……



幅もコンパクトになります。こうすれば、自動車のトランクに乗せることも可能です。



なお、右ハンドルも折りたためます。



元に戻すには、シートを持ち上げて……





ハンドルとフロント周りを前方に押し出すように寝かせるだけ。



折りたたんだ状態からでも、すぐに走行可能な状態に変形させられます。



特徴的なフォルムなので、停めているだけで、大いに注目を集めていました。



なお、ABS樹脂製のフロントカバー上部には、警報器を鳴らすスピーカーを搭載しています。



ロック状態で振動を感じたときや、スマートキーのアラームボタンを押したときに、警報音を鳴らすことができます。



ScootManは、ScootManClubという会員になると1台購入する権利をゲットできます。ScootManClubは入会金9万9900円で、会費は36カ月目までは月額2750円でそれ以降は月額880円。ScootMan自体の価格は2万円で、ScootManClub会員にはバッテリーやアフターパーツを会員価格で購入できるとのこと。例えば、交換用のバッテリーは2万8000円と割安になっています。また、今後、ScootManの状態をチェックしたり、GPS機能を使って防犯対策をしたりできるAndroid・iOSのアプリも提供される予定です。

なお、記事作成時点ではV4発売記念としてScootManの本体価格が100円という数量限定の特別価格となっています。