「資産1億円」達成のロードマップ大公開!
工夫次第で、定年までに資産1億円を達成できる。ポイントは、節約で「守り」を固めながら、堅実な資産運用で「攻め」ること。家計再生のプロが浪費体質を改善させ、資産1億円へのロードマップを実現させたのだ。
■現状把握と黒字化が1億円家計簿への道
「定年までに1億円貯める」というと、途方もないことだと感じる人もいるだろう。だが、夫婦でゆとりある老後を過ごしたいなら、そのくらいを目標にして資産形成に励むのをお勧めしたい。資産1億円という数字の内訳は、「現金(退職金)」と「不動産」、そして「運用益」となる。実は、多少頑張ればごく普通のビジネスパーソンでも決して無理な数字ではないのだ。
資産形成に必要なのは「節約」と「運用」の2つになる。そして、この2つを実行する大前提となるのが、家計の現状を正しく把握すること。一流家計簿は、それができているのだ。
逆に、お金が貯まらないと嘆く多くの人は、現状を把握できていない。まずは家計簿をつけ、収支を具体的な数字で見てみよう。もし毎月の収支が赤字なら、3カ月以内に黒字に転換できる方法を考えたい。
節約については、ほんのちょっとした家計の見直しが、長い目で見れば大きな違いを生む。一流家計簿は、どれか1つの費目だけを極端に減らそうとはしていない。「光熱費を1割でも減らす」といった小さな削減を、複数の費目で同時に実践しているのだ。
一流家計簿が実践している、各費目の節約ポイントは、次のようになる。
(1)小遣い――お互いの小遣いを「見える化」して、使い方を話し合っている。たとえば、生活に必要な出費は共用の費目に振り分け、小遣いの総額を減らしている。
(2)自動車関連――保険料やガソリン代を、ムダに使っていない。また、交通の便がいい場所に住んでいれば、そもそも持つ必要がないので、クルマを手放している。
(3)生命保険料――月々いくらの保険料を支払っているかを正確に把握している。かつてはムダに高額な保険に入っていても、見直して、安いプランに掛け替えている。
(4)被服・美容費――家計に余裕があればあるだけ散財しやすい費目なので、ムダな出費をしない。
(5)教育費――親の自己満足でしかない出費はしない。少しでもいい教育を、というのも親心だが、それが自分たちの老後資金を減らすことにもつながりかねない。
(6)食費・水道光熱費――買う店・買い方を替えれば、食費は大きく削減できる。たとえば、ネットスーパーを利用すると、ついで買いで支出が膨らみがちになるので、なるべく実店舗で買うようにしている。またLED電球など、省エネ製品に替えるだけで光熱費の節約になる。
(7)通信費――今や、格安スマホには豊富なメニューが用意されている。現在の契約内容と比較して問題なければ、格安スマホに乗り換えている。
(8)交際費――単なる「お付き合い」や見栄で、過大な支出になりがち。一流家計簿は、人間関係を整理して、自分にとって本当に価値ある交際だけに絞っている。
ところで、現金以外に大きな資産となるのが不動産だ。もちろん、賃貸にもメリットはある。だが、賃貸だと定年後にも住居費が発生することも考えると、若いときに不動産を購入しておくことをお勧めしたい。ただし、あまりこだわりの注文住宅にすると、上モノの資産価値が下がりやすい。
■複利のパワーで早くから運用
よほどの高給取りでない限り、月々の差額を足し算するだけでは1億には到底およばない。一流家計簿は、投資による資産運用も実践している。
ただし、リターンの大きい投資には、大きなリスクが付きもの。老後の資産形成を考えるなら、少ないリスクで、長期間コツコツ続けられる方法を選ぶことが大切だ。たとえば、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動するインデックス型の投資信託などを活用して、年率3%ぐらいの手堅い運用を目指すのがいい。
投資において大事なことは、「複利」で運用すること。複利とは金利のつき方の一つで、元本についた利息が元本に組み込まれ、それを新しい元本として、さらに新しい利息がついていく仕組みだ。そのため、運用期間が長いほど、元本が大きいほど絶大な効果を発揮する。
仮に、30歳の人が毎月8万3000円(年間約100万円)を定年まで30年間運用することを考えてみよう。これを3%の投資信託で運用した場合、30年後には約4880万円にもなるが、0.02%の普通預金に預けた場合は約2997万円にしかならず、その差は1800万円以上にもなる。
こうした数字を見れば、複利のパワーを有効活用しない手はないことがわかるだろう。
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家計再生コンサルタント。マイエフピー代表取締役。
庶民派ファイナンシャルプランナーとして、8000人以上の赤字家計を再生。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズなどベストセラー多数。
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( 小島和子=構成 大沢尚芳=撮影)
