――2016年になって株価が大きく値下がりする中で、基準価額が値上がりしているのは、投資家にとっては大変心強いことと思います。今後も好調な運用成績が残せるものでしょうか?

 日銀のマイナス金利政策は、これまでのところ、日本債券にはキャピタルゲインの獲得というプラス効果をもたらしていますが、これまでになかった金融政策であり、今後の展開については、現時点では予断を許さない状況と言えます。

 ただ、マイナス金利はいつまでも続けられるものではありません。一段とマイナス幅が大きくなることはあるかもしれませんが、いずれ金利をゼロに戻し、さらには平常の状態であるプラス圏に戻すものと考えられます。これは債券にとっては逆風です。

 しかし、日銀が金融政策を正常化しようと動き始める時というのは、景気動向や企業業績も上向いて株式やリートの価格も上昇しやすい環境となっているはずです。そのような局面では、当ファンドが組み入れるリスク資産である株式やリートが、良好なパフォーマンスをもたらすと期待しています。

 「円奏会」は、日本債券を70%として値動きの安定性を重視しながら、日本株式や日本リートを組み入れることで収益性にも期待するファンドですが、これまでの運用経過でお分かりいただけるように、株価等が大きく変動する局面では「守り」を固めて、基準価額の下落を抑えることをめざします。株価等が短期間に大きく値上がりするような場面では、その値上がりに基準価額の上昇が追いつかず、物足りなく感じるかもしれませんが、価格下落には強い性格があります。

 下落局面で不安な気持ちになることなく、大きなリスクを避けながら、じっくり資産形成したいという投資家の方々に、「コア」としてご活用いただきたい商品です。

【ファンドの基本情報】
ファンド名:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)『愛称:円奏会』
設定日:2012年11月9日(毎月23日決算)
信託報酬(税込):0.91%(実質0.92%)
販売手数料(税込):上限1.62%
トータルリターン(2015年12月末現在)(年率):過去3年=7.62%、過去1年=1.26%
(編集担当:徳永浩)