安全性や技術の高さに加え「駆け引き」も学んだ「新幹線」に中国が焦り？
中国メディアの新華網は、「新幹線売り込みに必死の日本が狙う大プロジェクト」と題する記事を掲載し、日本の新幹線について、これまで日本が海外に売り込んできた経緯を振り返り、日本が今後手がけようとしているのはどのようなプロジェクトなのかを分析した。
記事はまずインドが日本と新幹線導入で合意したことに触れ、成功の理由について「インドネシア敗北の教訓を取り入れた」からだと説明。インドネシアの高速鉄道受注争いで日本が中国に敗れたのは、「新幹線技術の高すぎるコストと資金提供面」であったと日本は考えたと分析した。インドとの交渉においてその教訓を生かし、１兆円を超える円借款を年０．５％という「ほぼ無利子」とも言える低利で供与し、償還期間も５０年間という異例の条件を提示したことを、「円借款を切り札にした」と主張した。
日本の超電導リニア技術は唯一無二の技術であり、一旦突破口を見つければ世界の高速鉄道市場で争える大きな可能性を秘めている。超電導リニアは速い、静か、乗り心地が良いなどの利点があるが、同時に投資が巨額になり、建設にも時間がかかるといった弊害もある。
日本の新幹線技術は世界屈指ではあるが、世界進出となると障害も多く、中国との競争を通じて、安全性や技術力の高さだけでは受注できないということを思い知らされた。だが、インドネシアで中国に敗れたことを教訓に、日本は新幹線の安全性や技術力のほかに、「駆け引き」も加えてインドで結果を出した。中国では日本の新幹線売り込みに対する関心は高く、日印が新幹線導入で合意したことに中国は焦りを感じ始めているようにも見える。（編集担当：村山健二）（イメージ写真提供：（Ｃ）Ｃｈｅｅ-Ｏｎｎ Ｌｅｏｎｇ／１２３ＲＦ．ＣＯＭ）
