日本と中国が高速鉄道市場をめぐって熾烈な受注競争を展開していることは周知のとおりだ。だが、日中の競争は今後、地上だけでなく地上数千メートルの上空でも展開される可能性がある。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本と中国高速鉄道市場をめぐって熾烈な受注競争を展開していることは周知のとおりだ。だが、日中の競争は今後、地上だけでなく地上数千メートルの上空でも展開される可能性がある。

 三菱航空機が開発したMRJが11月11日に初飛行を成功させた。国産旅客機としては53年ぶりの初飛行となった。今後は型式証明の取得に向け、飛行試験を繰り返すことになるが、中国メディアの央広網は24日、中国でも大型旅客機C919がラインオフしたことを伝え、「日中両国の地上における競争が上空へと拡大する」と報じた。

 記事は、C919のラインオフは日本でも大きな注目を集めたと伝えつつ、C919はエアバスとボーイングによる独占状態にある大型旅客機市場の局面を大きく変え、エアバス・ボーイングと中国企業による3強の争いになると自信を示した。

 続けて、日本も中国に甘んじてはいないとし、MRJがこのほど初飛行を行ったことで、日中の高速鉄道市場における地上の競争は今後、空でも展開されることになると主張。また、日中が相次いで旅客機生産に参入したことで、韓国をはじめとする国々も焦りを感じているとし、「韓国は戦闘機だけでなく、旅客機も生産したい考え」とし、今後は日中韓3カ国の旅客機開発競争もあり得ない話ではないことを紹介した。

 C919は大型旅客機であり、MRJはリージョナルジェットであるため、高速鉄道のように同じ市場で直接競合するわけではない。しかし、優れた旅客機を生産することは1つの国の製造業全体の評価の底上げにつながる可能性があり、日本としては旅客機においても中国に負ける訳にはいかないというのが現状ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)