川内原発の再稼働トラブルでも炎上するTwitterの141文字の怖さとは?

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21日の昼過ぎに時事通信のWebサイト「時事ドットコム」で、福島原発の事故以来、初の再稼働をした九州電力川内原発にてトラブルが発生し、予定されていた75%から95%に出力を上げる作業が延期されたことが報道された。

今回と同様のトラブルは、これまでにも全国で50回ほど発生し、大事に至ったことは一度もないという。川内原発でも、稼働以来、初めて発生したマイナーなトラブルとのことだった。
ただし、福島原発の事故後、初めての再稼働だったために話題となった。

そしてこの記事に対する、映画監督、映画作家である想田和弘監督のツイートで炎上が発生した。
これまでTwitterでは、美味しんぼの鼻血、福島県産野菜への風評被害などで賛否を含む炎上が発生している。

原発関連の炎上が増えるにつれ、原発に関連した投稿に対して、過敏に反応する人が増えており、今回は、そのアンテナに想田和弘監督のツイートが引っかかってしまったようだ。

特に以下のような投稿に対しての反応が多かった。
「下手すると今度こそ日本終わるんじゃないかとビクビクしながらする行為が単なる「発電」ってほんと狂った話だとおもうんだが。命がけで発電。単なるアホです。」
「命をかけるならもっとずっとずっと大事で価値あることあるんじゃないの。発電に命かけてどうすんのよ。」

ネットでは下記のような反応が多かった。
「水力、火力、原子力といった発電に従事する人たちの職業を何だと思っているのか?」
「映画監督だから、発電に従事している人を見下してるのでは?」

確かに、ツィートの見方や読み方によっては、こうした反応を呼び起こす可能性も否定はできない。

今回のことからも、「141文字」の投稿しかできないTwitterは、ツイートだけで本意を正しく伝えることが難しいことがわかる。

想田監督のドキュメンタリー作品は、一般の人が裏側を見ることのできない選挙や精神病院を赤裸々に見せてくれる映像が多い。作品を見れば、想田監督は職業に対する差別意識はなく、どのような職業も尊重している考え方を読み取れるだろう。

しかし、監督の作品を観たことのない人や、141文字のツィートしか見ていない人には、「看過できない発言」に見えてしまうのだろう。

これが141文字しか投稿できないツイッター特有の炎上の仕組みだ。
読みやすくわかりやすくみえるツイートは、複雑な内容の場合、つぶやいた人の真意が伝わりにくいのだ。

そして読み違いや誤解されたツィートが炎上すると、特定のつぶやきだけが拡散し、誤解の上書きにより、さらに誤解は大きくなり拡散されて行く。
141文字という、わかりやすい表現や少ない情報という便利さの中に潜むツイッターの怖さがここにある。

Twitterでつぶやく前に、大前提として、
・受け手がどうツィートをうけとるか
・情報の不足(言葉足らず)で誤解されるか
といったことに配慮したツイートがあれば、炎上は防げたのではないかと思うのだが、みなさんはどう思うだろうか?

togetterのまとめ


小川夏樹(ITライフハック編集長)