合法的に貸し借りOK! 持参人定期券とは?

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お盆休みはお父さんが休み。お父さんの定期を使ってちょっと都内まで……なんて考えたことがある人もいるのではないだろうか? ちなみに私は中学生くらいの時に定期券を父親に借りようとして「それは不正乗車だ。会社にバレたらクビになるからやめろ!」と怒られた記憶がある。記名式の定期券であれば貸し借りは不正乗車にあたるが、いくつかの交通機関では「持参人定期券」というものを販売しており、この定期券であれば合法的に貸し借りを行うことができるのだ。

東京メトロと都営地下鉄の全線定期券


東京メトロと都営地下鉄では、それぞれ1万7300円と1万5210円で全線定期券というものを販売しており、名義を持参人という形で購入すれば、合法的に貸し借りができる。平日は両親の通勤、週末は子供の習い事で出かける時に貸すといった方法や、外回りがある時に社内で一枚の定期券を使い回したりするなんてこともできてしまうという。

ただし、月30日換算で一日あたりの料金は東京メトロで約577円、都営地下鉄では507円。都営メトロの1日乗車券は600円で、期間限定販売の都営地下鉄は税込500円なのでコストパフォーマンスは良くはない。


都営バスでも販売


私は現在通勤に都営バスを使っているが、都営バスも持参人定期券を販売しており、値段は1カ月タイプのもので全線に乗車可能で9230円。この定期券は記名式で買っても持参人で買っても値段は同じで、SuicaやPASMOに都営バスの定期券のデータを入れて使うこともできる。都営バスは1回の乗車につき210円(乗り継ぎは100円)なので、月に約44回以上バスに乗車する人であれば得な計算だ。

都営バスは東京都の西側はやや路線が少ないものの、浅草などの下町エリアで路線が充実しており、電車の運賃がやや高いお台場にも走っているので、こういったエリアをバスで回れるのはメリットの一つ。バスということもあり、電車に比べると移動スピードは遅いが、社内でWi-Fiが使えるので急いでいなければ快適に過ごせる。


札幌・名古屋・大阪・鹿児島などでも


Wikipediaを見ると、札幌市交通局・名古屋市交通局・京阪バス・大阪市交通局でも持参人定期券を販売していることが確認できる。そのほかにも東急バス・神奈川中央交通・鹿児島市交通局でも販売されている。一通り調べてみると、公営の交通機関の方が持参人定期券を販売していることが多いようだ。


記名式の定期券の貸し借りでは50万円以上の高額請求が発生するケースも


持参人定期券であれば貸し借りを行っても問題ないが、記名式定期券は購入者が使える定期券なので不正乗車と見なされる。もしも不正乗車を行ってしまった場合は、定期券間往復金額×3×使用開始日から不正が発覚した日までの料金を請求されるとのこと。過去には日本大学の学生が運動部ぐるみで不正乗車をおこなっており、最高で1人50万円以上の請求が行われたケースもあるようだ。
(やった麺)