森三中・大島も? 欧米でも広がる「クラウド出産」

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体を張る芸人気質がそうさせたのであろう、森三中・大島美幸の出産レポート。当時はこれについての賛否がメディアを騒がせていたが、産まれてしまえば世間も落ち着いている。
大島の場合、ヘルメットカメラは「顔」だけが写され、エモーションを表現できていたが、テレビカメラは部屋全体を写し、大勢がいるなかでの出産だったことも確認できた。

「母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査」(2013年3月発行)で、「出産に立ち会った人」についての質問では、「夫」53%、「親」12%、「その他」5%、「誰もいない」41%という結果がでている。半数以上の人が夫の立ち会いのもと出産。そして「誰もいない」と答えた人のなかで「産婦が希望せず」だったのが50%もいたという興味深い数字になっていた。

米国では大人気で、日本では動画配信サービス「hulu」にて視聴可能なリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』の娘の一人、コートニーが、娘の出産をテレビドキュメンタリーとして放映したことがあった。その場にいたのは、自分の息子、姉妹、母親など合計8人。

そのドキュメンタリーがキッカケを作ったのか、米国では最近「クラウド出産」(Crowd Birthing)と呼ばれ、それが世間で広まっている。
大勢が見ている前で出産する、というものだ。

たしかに出産は、人生において大きなイベントだし、一生でも数えるほどしかないこと。大好きなみんなに囲まれながらその瞬間を迎えられたら幸せ、という気持ちもあるだろう。「産まれてくる赤ちゃんを一緒に歓迎してね!」「頑張って産む私を見て!」「出産を応援してね!」という願いもあるのかもしれない。

SNSによってプライバシーもなくなりつつあるが、出産までもがプライベートではなくなってしまうのかもしれない。
出産の瞬間を目撃できるという、レアな体験をすることができる友人たちにとっては、嬉しい招待になるだろう。妊婦の母親にとっては、孫が産まれる瞬間を自分の産んだ娘と体験できるなんて、まさしく夢のようなことなのかもしれない。
実際、大島の出産に立ち会った人々は興奮と感動から泣いていた。

出産する本人にとっても苦しいのに、「他人」を気遣っている事などできないはずで、なりふり構わずな状態を見せることになる。それでも、あえて分娩室や病室に家族や友人を招待して出産を祝うというのは素敵だが、度胸のいる選択である。

周りの同僚数人にクラウド出産をどう思うか聞いてみたところ、「自分がしたいとは思わないけど、友人だったら駆けつける」「やりたい! そのまま病室で誕生パーティーにしたい」「夫や母親だったらまだしも、みんなに赤ちゃん以外の汚物を見せられない」「娘の出産だったら絶対同伴。他に何人いてもいいから一緒に分かち合いたい」「人がたくさんいても集中してプッシュできるの?」と、こちらでも賛否両論である。

英紙「テレグラフ」によると、10代・20代の若い母親の出産時には、平均8人が病室に待機、赤ちゃん誕生後はビデオブログとして25%のママがSNSにシェア配信するという統計が出ている。
米「ABCニュース」も、“新しいトレンドになっている”と取り上げている。
友人を招待したうえビデオもシェアするというのが欧米でも広がっているようだ。

クラウド出産、どう思いますか?
(シカゴ/あらた)