合同チームが掴んだ1勝の大きさ

 大田スタジアムこの日最後となる第三試合はかえつ有明・都立科学技術vs都立足立工。昼間ほどの日差しはなくなり、大田スタジアム特有の海風が程よく気持ちいい。

 かえつ有明・都立科学技術は文字通り連合チームとして今夏を戦うことになった。登録メンバーは合わせて11人と少ない状態。同様に都立足立工も登録メンバー14人と決して多くはない。両校共に、部員は少ないためかスタジアムは静けさも感じるほどの雰囲気だ。

 試合は両者一歩も譲らず、6回終了時点で3対3の同点で、7回表のかえつ有明・都立科学技術の攻撃を迎える。この回先頭の8番・原 涼太(都立科学技術)が四球で出塁。一死から2番・佐藤 大至も(かえつ有明)も繋ぎ、チャンスで3番・関口 祐世(都立科学技術)のタイムリーで1点勝ち越し。なおも、チャンスは続き、4番・尾崎 光(かえつ有明)の2点タイムリーで突き放すことに成功。6対3と3点差がついた。

 かえつ有明・都立科学技術は8回表にも勝負を決める1点を追加。結果、都立足立工には重すぎる4点差となってしまう。このまま守り切った、かえつ有明・都立科学技術が7対3で都立足立工に勝利した。

 敗れた都立足立工は部員14人中、3年生はリードオフマンとして活躍した石井 和樹のみ。つまり13人が下級生というチーム。出場した選手達はこの悔しさを忘れずに秋以降も練習して、勝負していきたいところだ。

 かえつ有明・都立科学技術は2年連続で夏は初戦敗退していることから、久しぶりの勝利となった。また合同チームなどはまとまりの面など、チーム編成の部分において、合同チームならではの苦労もあったかと思うが、その中でも必死に練習し、2チーム合同で掴んだ1勝は非常に価値がある。勝利を決めた瞬間は応援席も喜びを爆発させた。今大会の目標の『2勝』を目指して次戦は順天と戦うことが決まった。勝利の味を忘れずに、次も背一杯の力で勝負していきたい。

(文=高校野球ドットコム編集部)

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